入玉模様の弱さとその改善
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:22 UTC 版)
「コンピュータ将棋」の記事における「入玉模様の弱さとその改善」の解説
Bonanza以降主流になった機械学習では、プロ棋士の対戦データをもとに教師あり学習をしているが、プロ棋士の対局ではほとんど見られない入玉模様になると、駒の配置に関する評価値が0に近い値になる。さらに相入玉になった場合は、駒の点数を計算して勝ちを狙うという、相手玉を詰ます以外の目標が生まれるのだが、これを判断できず適切に指せない状態になることが多い。2013年の第2回将棋電王戦第4局においては、相入玉に持ち込まれたPuella αは点数計算を正しく認識できず、結果として持将棋(引き分け)成立となった。 しかしながら、コンピュータが生成した膨大な数の局面を教師として学習したり、学習におけるパラメータを増加させて実戦が少ない局面の評価能力を向上させた結果、コンピュータ将棋の入玉模様は大幅に向上した。2015年の第25回世界コンピュータ将棋選手権では、コンピュータ将棋の公式戦で初めてSeleneが入玉将棋においてコンピュータ自身の読みと判断により宣言法による勝利を上げ、同大会の独創賞を受賞した。強豪ソフトにおける入玉将棋の強さと宣言法の実装はほぼ標準化されており、2016年の第4回電王トーナメントにおいても、ponanzaとやねうら王が1度ずつ入玉将棋において宣言法で勝利している。
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