使用方法と注意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:30 UTC 版)
一般に普及している消火器の場合の使用方法。後に述べる通り、大型消火器、化学泡消火器はこの限りでない。また、小型の粉末消火器には押しボタンを叩いて加圧用ガス容器の封板を破る方式の物もある。 安全栓を引き抜く。抜けないように固定している安全栓はひっこ抜く。 ホースを外し火元に向ける。距離は3m程度。あまり近づいても効果は上がらず、却って炎が吹き返して危険である。 レバーを強く握る。風上から炎の根本を手前から掃くように消火する。また、固定しているレバーは、テープを外しておく。 完全に鎮火したかよく注意し、極力全量を炎の根元部分に向けて放射する。特にふとんやゴミ箱などの火災に際しては、鎮火後さらにバケツなどで水をかけておくなどすると再燃を防げる。特に粉末消火器や二酸化炭素消火器は注意を要する。 屋内で粉末消火器を用いると視界が悪くなるので、避難路を背に向ける等の注意が必要である。泡消火器で油火災を消す場合は、油面を圧力で掻き回さないように泡を放射する。また、消火器は1本ずつ操作するよりも数本で一斉に消火する方が、より大きな鎮圧効果が期待できる。 一般に消火器で消火可能な火災は「天井を炎がなめる」以前の状態である。消火器で鎮圧困難であれば、消火栓設備等の備えがあれば直ぐその操作に切り替え、或は避難し無闇に消火器に執着して脱出の時期を失する事の無いようにすべきである(消防本部による消火訓練でも、「炎が天井に回ったらもう初期消火の段階ではない。無理せずに避難して119番通報し消防隊の到着を待て」と指導される)。近寄り難い室内の火災に際しては、窓の隙間や玄関ドアの郵便受け等にホースを差し込んで室内に放射したり、既にレバーを握り放射中の状態にある消火器を室内に投げ込む方法もある。 ※小型消火器(化学泡消火器を除く)の使用方法は1983年1月に各社で統一が行われた。統一前は各社毎に安全栓がバラバラだったが、70年代に相次いだ大規模火災で消火器の使用方法が混乱したことから、1981年に行われた昭和56年消防法改正で使用方法の統一が決定した。
※この「使用方法と注意」の解説は、「消火器」の解説の一部です。
「使用方法と注意」を含む「消火器」の記事については、「消火器」の概要を参照ください。
- 使用方法と注意のページへのリンク