伝持の八祖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 00:22 UTC 版)
真言宗の教えが日本に伝わるまでの歴史に関わった8人の祖師。付法の八祖のうち、大日如来、金剛薩埵は実在しない人物なので除き、2人の祖師を加えた。八祖大師(はっそだいし)とも称される。 手に印を結んだり仏具などを持っているが、これは悟りの本質をあらわしている。 龍猛菩薩 : 大日如来の直弟子金剛薩埵から密教経典を授かって、世に伝えたといわれている(三鈷杵(さんこしょ)を右手に持っている)。 龍智菩薩 : 龍猛から密教を授かった(経文を右手に持っている)。 金剛智三蔵 : インドで龍智から密教を学んだのち唐へ渡り、『金剛頂経』を伝える(数珠を右手に持っている)。 不空三蔵 : 西域生まれ。貿易商の叔父に連れられて唐へ行き、長安で金剛智に入門。『金剛頂経』を漢語に翻訳し、灌頂道場を開いた(外縛印(げばくいん)を結んでいる)。 善無畏三蔵(ぜんむいさんぞう : インド生まれ。大乗仏教を学び、さらに密教を受け継ぐ。80歳になって唐に渡り『大日経』を伝える(右手の人さし指を立てている) 。 一行禅師(いちぎょうぜんじ): 中国生まれ。禅や天台教学、天文学、数学を学ぶ。長安で善無畏に入門し、善無畏の口述をもとに『大日経疏(だいにちきょうしょ)』を完成させた(法衣のなかで印を結んでいる)。 恵果阿闍梨 : 中国生まれ。金剛界・胎蔵界両部の密教を受け継いだ(椅子に座り、横に童子を待らせている)。 弘法大師 : 恵果阿闍梨から金剛・胎蔵界両部を授けられ、日本に伝えて真言密教を開いた。空海(五鈷杵(ごこしょ)を右手に持ち、左手には念珠を持っている)。
※この「伝持の八祖」の解説は、「真言宗」の解説の一部です。
「伝持の八祖」を含む「真言宗」の記事については、「真言宗」の概要を参照ください。
- 伝持の八祖のページへのリンク