付属書二(Annex II)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 18:19 UTC 版)
「ELV指令」の記事における「付属書二(Annex II)」の解説
上記のとおり、本指令は、2003年7月1日以降に市場に出る自動車部品や自動車製造用の材料に鉛、水銀、カドミウム、六価クロムが含まれることを禁じている。ただし、適当な代替材料がない場合があり、いくつかの用途については例外が定められており、この例外用途のリストが付属書二(Annex II)である。例外として最もよく知られているもののひとつが、鉛蓄電池に使われている鉛で、これが例外になっているのは、適当な代替材料もないし、回収時に別のものとまぎれて外部に流出することはないように注意できるからである。他にも、鉛の場合、合金の成分としての限られた量の鉛や、一部の用途のはんだ(プリント基板やガラス板へのはんだなど)が付属書二で例外として使用が認められている。 俗に「ELV指令が改訂になった」といわれるのは、実際にはELV指令本文ではなく、この付属書二が改訂になったことを指している。2000年の本指令の発効後、2002年(第1回改訂、Decision 2002/525/EC)、2005年(第2回、Decision 2005/673/EC)、2008年(第3回、Decision 2008/689/EC)、2010年(第4回、Decision 2010/115/EU)、 2011年(第5回、Directive 2011/37/EU)に付属書二の改定が行われ、2011年7月現在の最新版は、第5回の版(2011年3月30日)である。 この付属書には、単に例外項目が並べてあるだけでなく、使用可能期限(例外であり続ける期限)や見直し時期なども併記されている。例えば、鉛を含むはんだは最初から付属書二に記載されていたが、2008年の改訂版から、使用は2010年12月31日より前に設計承認された車両に限ることが明記された。ただし、改定のたびごとに、はんだの用途を細分化し、2011年1月以降に期限を延ばした用途も多い。また、使用期限が明記されていない用途についても2014年に見直しをすることが明記されている。 なお鉛以外の禁止物質については、充電池に使用するカドミウムが2009年1月以降、めっきにつかう六価クロムが2007年7月1日以降(シャシに使用するボルト・ナットについては2008年7月1日以降)の使用が禁止されている。また、ヘッドライトや液晶のバックライトに封入されている水銀は、使用は2012年7月1日以前に限ることが付属書二に明記されている。鉛以外の禁止物質(カドミウム、六価クロム、水銀)について、2011年の版の付属書二に記載されている用途は、上記の用途とキャンピングカーに使用される冷房装置用冷媒の防蝕剤としての六価クロム1項目だけである。
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