他の馬への精神的影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 22:06 UTC 版)
「第83回優駿牝馬」の記事における「他の馬への精神的影響」の解説
今回の異常かつ大幅な発走遅延はレース全体面とテレビ放送に著しい悪影響を残した。まず、この発走遅延により他の17頭の馬達は晴天で気温25・5度の夏日かつ前日には降雨がありむしむしした状況のなか15分近くゲート前で待つことを強いられた。3歳牝馬はただでさえデリケートなうえ、馬たちはゲート裏で輪乗りが始まるとスタートが近いということを理解している。しかし、なかなかゲートに誘導されず、輪乗りを続けさせられることとなった。こうなると、神経質すぎたり、我慢強さが足りなかったりする馬はイライラして脱落してしまう。現に一番人気ながら見せ場なく12着に沈んだサークルオブライフに騎乗していたデムーロ騎手は「ゲート内でイライラして出遅れてしまった。最初から脚が出ない感じだったし、最後まで反応がなかった」と話し、同馬を管理する国枝栄調教師も「ゲートの後ろでずいぶん気持ちが高ぶって、終わっちゃったね。競馬の前にピークアウトしちゃった感じ」と語っている。他にも桜花賞2着馬のウォーターナビレラに騎乗した武豊騎手からは「ゲートで待たされて突進してしまった。それが全て。」とデビューから初めての2桁着順となる13着に惨敗した理由を述べている。同様にライラックに騎乗していた横山和生騎手も発走遅延が少なからず同馬の精神面に影響してしまったと話している。結果的に、勝ったスターズオンアースは大外18番枠。前年までの10年間で3着以内が1頭もいない鬼門の枠だったのだが、後入れの偶数枠、最後から4頭目くらいに枠入りしたことにより、ゲート内で待たせれてさらにストレスを溜めることなくスタートができたなど元からメンタル面が強いとされているスターズオンアースにとって有利に働いた面が多い。この遅延に関してJRA裁決委員は「JRAでは馬体検査を実施せずに競走除外にすることはない」としマニュアル通りの対応だったとする一方で結果的に長時間の発走遅延がレース結果に大きく影響したのは事実であり、競争除外に関する運用ルールの見直しを求める声も上がった。 元騎手で競馬評論家の安藤勝己も勝ったスターズオンアースを「人馬で精神力が強かったってことやろね。」と称賛する一方、スタートが10分以上も遅れたことに関して、「大観衆かつ放馬でスタート待たされた影響で、集中力切れた馬が多かった」と指摘し、自身のTwitterでは「JRAは今日のオークスを教訓に競走除外の見直ししたほうがいい。スピード面ね。テレビ中継、レースの結果としてもファンに迷惑かけたと思うよ。誰がどう見たってあの疲労で走らせられる訳ないし、馬券買ってる側からすれば、放馬した時点で取消して納得なんやから。」と私見を述べ、JRAに対して競走除外の基準に関しての見直しを求めた。
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