介護・医療機器として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 20:57 UTC 版)
「パワードスーツ」の記事における「介護・医療機器として」の解説
2000年代現在進行する少子高齢化や老老介護では介護市場の労働力不足も懸念されており、ベッドの移動などで介護者を抱き上げるといった体力的負担の軽減も、大きな課題となっている。こういった問題の解決に於いて、パワーアシスト機器は非力な人間でも要介護者を抱きかかえて運べるようにする ことで負担を軽減することが期待され、民生分野での開発が急速に進んでいる。 近年では筋電位や神経電位の測定に関する、生化学などの分野で目覚しい発展が進んで筋電義手などの実用例も登場していることから、四肢麻痺や筋力低下で歩行困難なため行動が制限される車椅子での移動を余儀なくされている者が自律歩行を行えるようになるというパワーアシスト型のロボットギプスの開発・製品化 も進んでおり、また同時多発的な現象として米国でも製品化に向けた取り組みもなされている。 1996年に筑波大学の山海嘉之教授らによって開発されたロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)は皮膚表面の生体電位信号を読み取り動作する世界初のパワードスーツであり、その後、産学共同体企業サイバーダインが設立されている。この装置の全身型は例えば100kgのレッグプレスができる人間が装着すれば180kgを動かすことができ、数kgを持ち上げる感覚で40kgの重量物を持ち上げることができる。2008年10月よりHALの下半身タイプが大和ハウス工業からリース販売されている。 また2011年3月11日の福島第一原発事故後、「HAL」を原発作業員のために改良した新型ロボットスーツを公開している。 松下電器の社内ベンチャー企業アクティブリンク(現 ATOUN)は乗り込み型のパワードスーツ「パワードローダー」と人体装着型のパワーアシストスーツ「パワーローダーライト “PLL”」や、それらの制御技術を利用した介護予防用の訓練機などを研究機関向けに販売している。 本田技研工業は歩行動作の補助を行う「リズム歩行アシスト」を、国立長寿医療研究センターが介護予防の効果を検証するプログラムに提供している。また工場の組み立てラインで働く作業員の負荷を減らすため、跨がって使うタイプの「体重支持型歩行アシスト」も開発している。これらはASIMOの開発で培った協調制御技術を応用している。
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