今福線予定区間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 16:19 UTC 版)
「概要」節も参照 新線 三段峡駅 - 橋山駅 - 芸北駅 - 波佐駅 - 徳田駅 - 旭町駅 - 石見今福駅 - 浜田駅 旧線 (三段峡駅 - 石見今福駅間は新旧線で変更なし) 石見今福駅 - 下佐野駅 - 有福駅 - 上府駅 - 下府駅 三段峡駅から先の区間は「今福線」として1974年に全線で工事に着手した。旧芸北町(現・北広島町)・旧金城町(現・浜田市)を経て山陰本線に接続するルートで建設された(「今福」は旧金城町の集落名の一つ)が、当初は下府駅を終点とする計画であった。旧線区間の石見今福 - 下府間は太平洋戦争前に着手され、大半のトンネルと橋梁が完成していたが、戦時供出によりレールの敷設ができず、その後の水害で路盤が崩壊してしまった。戦後建設を再開するに当たり、当初はこの旧線を手直しして使用することになったが、急こう配や急カーブを理由にこの案は破棄されて上記の浜田駅までの新線ルートとなった経緯が存在する。また、新線建設にあたり旧線の路盤を一部切り崩して新線の路盤とした区間が存在する。 戦後の計画は三段峡 - 浜田間に平均速度100 km/h・全長約54 kmの新線を建設することに加え、広島 - 三段峡間も同じく旧線とは大きく異なるルートを経由するほぼ直線的な高規格新線を敷設することで「広島 - 浜田間約89km、全区間中89%が山岳トンネル」という高規格新線を建設し、広島駅で山陽新幹線と直結する主要幹線として広島 - 浜田間をノンストップ特急列車により約55分で結ぶ計画だった。 三段峡駅の先では全長が10 km近い三段峡トンネルが計画されており、試掘坑の掘鑿に着手されていた。しかし、国鉄再建法に基づいて1980年に新線建設が凍結されたため工事は中止された。この時に建設された試掘坑は現在サクラオブルワリーアンドディスティラリーの焼酎等の保管施設として利用されている。 工事凍結後は旧線の一部のトンネルが道路として使用されていたが、老朽化や行き違いトラブルなどにより現在は閉鎖された。道路に転用されなかったトンネルも、立地が非常に危険で到達困難な場所に存在するか、フェンスにより立ち入りが禁止された状態となっている。 旧線の橋梁には、工事が戦時中だったため鉄の節約目的でコンクリートアーチ橋がいくつか採用されており、2008年にそのアーチ橋群が土木学会選奨土木遺産に指定された。 浜田 下府 今福 旭町 波佐 芸北 三段峡 (広島) 今福線の経由予定地
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