人道支援の要求
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「東アフリカ大旱魃 (2011年)」の記事における「人道支援の要求」の解説
2011年7月20日、国連は、ソマリア南部の下部シェベリ州、バコール州に対し、飢饉の発生を宣言した。8月3日、宣言地域は中部シェベリ州のバルカッド(英語版)、カデレ(英語版)、およびモガディシュとアフゴーイの国内避難民居住地区に拡大された。その時の国連の発表によれば、人道支援がなされなければ、物流の停滞と資金の不足が原因で、飢饉は4 - 6週間で南ソマリアの8州全てに広がるだろうとされている。エコノミストは、過去25年で見られなかったほどの大規模な飢饉がアフリカの角地域全体に広がるだろうと報じている。 主食の価格について、2010年5月と2011年5月とを比較すると、ソマリア南部で3.4倍、エチオピア南東部では2.2倍、ケニア北部では1.6倍に上昇している。2011年7月の始め、国際連合世界食糧計画 (WFP) は、食糧援助が必要な人の数を、かつての600万人から1000万人に引き上げている。7月下旬にはさらに1200万人に引き上げ、その内の280万人がソマリア南部に集中していると述べている。この危機は8月から9月にかけてがピークであり、少なくとも12月までは援助が必要であるとしている。 BBCが2011年7月10日に報じたところによると、今後まとまった雨が降るのは早くとも2011年9月とのことだった。ところが7月下旬には首都モガディシュを豪雨が襲い、間に合わせの家しか持たない避難民数万人の多くが被害を受けることになった。 一方、ケニア北西部のリフトバレー州トゥルカナ地区(英語版)(南スーダンと国境を接する)では、子供たちの食糧がないとの理由で学校も閉鎖された。この地区では38万5千人の子供と9万人の妊婦が栄養失調となっており、350万人が栄養失調の危機にある。ケニアの赤十字社は、この地区の4分の3の住民が支援を必要としていると述べている。 オックスファムの人道支援部長ジェーン・コッキングは「これは回避可能な災害であり、努力により解決は可能なものである」と述べた。オックスファムは「いくつかのヨーロッパの政府は事態を故意に軽視している。数か月前から危機の前兆は見られており、世界は対応が遅れている。雨季の降雨量減少により人々が求める食糧生産と社会基盤の構築には、長期的な援助が必要であり、これを確実に行うことでこの地域の飢饉を終わらせることができる」と主張している。一方、セーブ・ザ・チルドレンのスーザン・ドボルザークは「豊かな国の政治家や官僚は、援助団体の活動がむしろ事態を悪化させているのだと懐疑的になっている。発展途上国政府は、このような援助を受けるのが恥ずかしいことだと思っている。(中略)被害を大きく受けているのは子供たちである。我々は援助可能であり、援助しなければならないのだ」と述べている。
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