乗員にとっての危険性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:02 UTC 版)
「水上オートバイ」の記事における「乗員にとっての危険性」の解説
船舶は、自動車やオートバイと違い、レバー又はペダルの操作による制動機構はなく、水の抵抗を用いて減速・停止する(近年の水上オートバイの量販モデルには、リバース機構を用いた疑似的なブレーキ機能を装備したモデルもある。)。特性として低速走行時には特に不安定であり、転倒しやすい。ある程度以上のスピードになると安定するが、そのバランスは波の衝撃などによって崩れ、操縦者がバランスを制御しきれない場合は、操縦者の落水・転倒や、船体の転覆を招く。特に雨天時には視界が悪くなるので、天候の変化に留意するとともに、やむを得ず雨天時に操船する場合は安全に低速で走行する必要がある。 また、水上オートバイは、二輪車と同様に、乗員を保護する箱構造を持たず、むき出しのまま乗船するものであるため、救命胴衣の着用は義務であるが事故の際は乗員は身ひとつで放り出され、衝撃を受け止めることとなるとともに水に触れるので体温が奪われやすくなる点に注意が必要となる。しかも、いったん水上に放り出された場合、意識がなければ溺死の危険性があり、仮に意識があっても、水上オートバイと離れたり、機関が作動しなければ、人間の力では岸まで自力で帰還することは極めて困難であることも危険性を増大させる要素である。 水上オートバイの持つ高い機動性も、危険を拡大する方向に向いうる。水上オートバイは船舶と比べて小さいため、水面では目立ちにくい。漁をしている最中でも、隙間を縫って走る水上オートバイの進路を漁船がふさいだり、水面で停船している漁船が直進する水上オートバイの進路をふさいだりすることによる衝突事故の多くは、漁船操船者が水上オートバイを見落したことによって発生するものである。水上オートバイは他の操縦者からすれば不必要かつ急な高速ターンをすることかあり、予想しきれない行動ゆえの衝突事故を起こしやすい。 そのほか、ウォータージェット推進装置から噴き出した水が肛門から体内に入って内臓を傷つける死傷事故も起きている。
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