乗員が気づいた様子がなかった
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 02:49 UTC 版)
「イースタン航空401便墜落事故」の記事における「乗員が気づいた様子がなかった」の解説
高度維持が解除されると、オートパイロットがCWSモードに切り替わる。ただし、高度維持機能には独特な仕様があった。計器パネルにコマンドモードが解除されたことが明示的に表示されず、モードを選択するレバーも元のまま(すなわちコマンドモード)で維持されたのである。それでも高度維持を意味する「ALT」の文字が表示パネルから消えることから、パネルをよく見れば解除に気づけたはずである。しかし、機長と副操縦士がそれに気づいた様子はなかった。 管制指示で方位を変えた際に、一度は水平飛行に戻ったものの、墜落の2分40秒前から再び高度を下げだした。二度目の降下の際には、わずかな機首下げとエンジン推力の減少が起きている。FDRによると推力は断続的に調整されており、その動きはオートスロットル(自動推力調整装置)では起こり得ないものだった。事故調査委員会は、いくつかの可能性を検討した上で、乗員による意図的な推力操作があったと判断した。 姿勢を変えずにCWSモードで推力を絞ると、機体の運動は降下する方向に向かう。通常であれば、推力操作の際に高度計も参考にする。しかし、もし自動操縦によって高度が維持されると乗員が思い込んでいたならば、高度計を確認せず推力を調整することも十分あり得た。 墜落の2分4秒前、自動操縦の設定高度から逸脱したことを注意喚起する警報音が鳴っていた。乗員はここで計器を確認して降下に気づくべきだった。しかし、2人のパイロットは表示灯についての議論の最中にあり、誰もこの警報音に言及せず、飛行機の姿勢修正も行われなかった。 事故調査報告書は次のように述べている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}オートパイロットの表示がどうなっていたか、あるいは推力減少がどのように生じたかによらず、飛行計器(高度計、昇降計、速度計、姿勢指示計、オートパイロットのバーティカル・スピード・セレクター)は水平飛行状態としては異常であることを示していたはずである しかし、これまでに記した通り、墜落直前までの4分間、乗員が高度に注意を払った様子はなかった。
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