乗員の幽霊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 04:34 UTC 版)
「イースタン航空401便墜落事故」の記事における「乗員の幽霊」の解説
事故後しばらくして、事故機の乗員の幽霊をトライスター機内で見たという噂がイースタン航空従業員の間で流れた。噂では、事故機から使える部品が回収され、同社の他のトライスターを修理するために使われたと憶測され、その部品を取り付けた機体だけに幽霊が現れると伝わった。この幽霊目撃談はイースタン航空全体に広がり、ことによっては噂を広めた者を解雇すると経営陣が警告する事態となった。イースタン航空は幽霊の出現を公式に否定するとともに、同社のトライスターから事故機の部品を全て取り外したとの報道もされた。 本事故とその余波は、1976年にジョン・G・フラー(英語版)によって『The Ghost of Flight 401』という題名で書籍化された。フラーはその著書で、イースタン航空機で起きた超常現象を、そして、それが事故機から回収された部品によって起きたとする物語を記した。同書を元にした同名のテレビ映画も作られ、1978年に放映された。この映画では、特に幽霊の逸話に焦点があてられた。 ミュージシャンのボブ・ウェルチは、1979年に発表したアルバム『Three Hearts』にて、「The Ghost of Flight 401」と名付けた楽曲を収録した。 イースタン航空の最高経営責任者 (CEO) でかつてアポロ計画の宇宙飛行士も務めたフランク・ボーマンは、墜落にまつわる幽霊話を「ごみ」だと呼んだ。イースタン航空は、名誉毀損に当たる内容があるとして訴訟を検討したが、むしろ同書の宣伝になってしまうと考えたボーマンは提訴しなかった。一方で機長の妻子は、機長の人格権とプライバシー権の侵害、および精神的苦痛を与えられたとしてフラーを訴えた。しかし、この訴訟は却下された。 1980年に発行されたロバート・J. サーリング(英語版)の『Captain to the Colonel: An Informal History of Eastern Airlines』によると、EA401便の残骸から部品が流用され後に撤去されたという話は事実ではなく、さらに噂のような幽霊を見たと主張するイースタン航空の従業員もいなかったという。ブライアン・ダニング(英語版)によると、幽霊目撃話の起源は、イースタン航空のとある機長が緊急着陸した際に「EA401便の航空機関士の幽霊が搭乗していた」と語ったジョークだという。
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