三重合同電気との合併
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 16:47 UTC 版)
「徳島水力電気」の記事における「三重合同電気との合併」の解説
1922年の祖谷川水力電気合併後、同年末になると三重合同電気株式会社(後の合同電気)との合併話が浮上した。同社は三重県津市に本社を置く電力会社で、三重県下のうち津・松阪・宇治山田(伊勢)の3都市の電力会社が合併して同年5月に新発足したばかりであった。地理的に遠く離れた会社同士ではあったが、徳島水力電気の大株主川北栄夫が三重合同電気で取締役を務めるという接点によって、川北の斡旋で合併が計画された。地方的会社ではなく東海地方と南海地方にまたがる中央(具体的には大阪)の会社とするのが将来の社業拡大のための資金調達に有利、という観点から合併が推進されたという。 当時、両社の資本金は徳島水力電気が1125万円(うち669万円払込)、三重合同電気が1415万円(うち約1300万円払込)であり、会社規模は三重合同電気の方が大きいが、利益率を比較すると徳島水力電気が優れており配当率は徳島水力電気12パーセント、三重合同電気9パーセントと差があった。徳島水力電気側の重役間で合併に関し内紛があったが、1923年1月15日、徳島水力電気の株主総会は合併を承認した。合併に際しての存続会社は三重合同電気であるが合併条件は業績が優れる徳島水力電気側に有利なものであり、徳島水力電気の株主に対する株式の交換比率は以下のように設定された。 徳島水力電気の50円払込済み株式1株に対し、三重合同電気の50円払込済み新株1.333株 徳島水力電気の25円払込株式1株に対し、三重合同電気の同額払込新株1株 徳島水力電気の18円75銭払込株式1株に対し、三重合同電気の同額払込新株1株うち2・3の株主に対しては、1株につき三重合同電気の50円払込済み新株0.333株を別途交付する 上記条件による、三重合同電気の合併に伴う資本金増加は1347万9950円で、同社の資本金は1415万円から2762万9950円にへ増加している。三重合同電気と徳島水力電気の合併は1923年8月30日に逓信省より認可され、11月15日に三重合同電気にて合併報告総会が開催されて合併手続きが完了、同日徳島水力電気は解散した。合併に伴って三重合同電気は旧徳島水力電気の営業区域を所管する徳島支店を設置している。 三重合同電気徳島区域はその後順次拡張され、板野郡の宮川内水力電気、那賀郡の那賀電気、名西郡の名西水力電気など周辺事業者が合併された。また1925年(大正14年)1月に淡路営業所が新設されて徳島支店から淡路区域が独立した。この淡路区域も同様に拡大し、徳島水力電気時代の統合から漏れていた淡路電灯が合併された。1937年(昭和12年)、合同電気は業界大手の東邦電力へと合併される。以後配電統制まで、徳島区域は東邦電力徳島支店により、淡路区域は同社淡路支店によって経営されることとなった。
※この「三重合同電気との合併」の解説は、「徳島水力電気」の解説の一部です。
「三重合同電気との合併」を含む「徳島水力電気」の記事については、「徳島水力電気」の概要を参照ください。
- 三重合同電気との合併のページへのリンク