三冠王・四冠王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:13 UTC 版)
日本の放送局が視聴率を評価する際に使う表現で、下記3区分すべてで平均視聴率がトップの放送局を指して「三冠王」と呼ぶ。 ゴールデンタイム(19時-22時) プライムタイム(19時-23時) 全日(6時-24時) 上記に加え、日本テレビではノンプライム(6時-19時、23時-24時)でも視聴率がトップであれば「四冠王」と呼んでいたが、2012年度からはノンプライムを内部参考化したため、こう呼ばれることはなくなった。テレビ朝日ではプライム2(23時-翌日1時)でも視聴率がトップであれば、「四冠王」と呼ぶ。なお、NHKおよびTBS・テレビ東京・フジテレビにおいて、公式にはいずれの意味の「四冠王」の表現を用いていない(フジはかつてノンプライムの放送区分を用いて四冠王を称していたことがあった)。 視聴率三冠王(NHKを入れたすべての在京テレビ局で)の第1号はTBSで、1978年に1度達成している。当時は『まんが日本昔ばなし』『クイズダービー』『8時だョ!全員集合』『Gメン'75』と言った土曜日の19時より22時台手前まで連続して人気番組を編成していたことや、平日においても「クイズ100人に聞きました」「ザ・ベストテン」などの高視聴率番組が存在したことが主な要因であった。なお、この年のTBSの全日視聴率はNHKと同率であった(10.1%)。とはいえ、この頃のNHKの連続テレビ小説や大河ドラマの視聴率が2018年現在の2倍以上であったことなどを考慮すると、民放局での三冠達成は、業界内では画期的な出来事であった。 1980年代後半に、フジテレビが「三冠王」を使い始めた。フジテレビは1982年から1993年までの12年間、連続して三冠王となったが、これは在京民放局5局の中での三冠王である(NHKを含めた中での三冠王となったのは1987年と1990年から1993年の合わせて5年間で、それ以外の年はNHKがフジテレビの全日視聴率を上回っていた)。なお、1993年のフジテレビの全日視聴率は、日本テレビと同率であった。一方で、年度視聴率においても、フジテレビは1982年から1992年までの11年間は連続して三冠王となったが、やはりこちらも在京民放局5局の中での三冠王であった(1990年になってやっとNHKの全日視聴率を含めて完全三冠王となったが、長くは続かず、NHKを含めた在京6局の中での三冠王は結局、1992年度までの3年だけであった)。 その後、日本テレビが「四冠王」の表現を使い始め、バラエティー番組やプロ野球巨人戦の中継が好調に推移したことで、同社が(NHKを含めた在京6局の中での)年間視聴率四冠王の座を1994年から2003年までの10年間、連続して獲得した(1994年の日本テレビは、全日は単独で首位だったが、ゴールデンタイム、ならびにプライムタイムのそれぞれの年間視聴率でフジテレビと同率であった)。一方で、年度視聴率においては、日本テレビは1994年から2002年までの9年間、連続して三冠王だったが、1993年度は全日のみ首位(ゴールデン、プライムはフジの二冠)、2003年度はプライム以外の三冠だった(プライム首位はフジ)。 2004年以降は、フジテレビが年間、および年度視聴率の三冠王を2010年まで7年連続で獲得(NHKを含めた在京6局中)。2011年は日本テレビが8年ぶりに年間視聴率三冠王を奪還した(こちらもNHKを含めた在京6局中。ただし、全日はフジテレビと同率であった)。 しかし、2012年はテレビ朝日が年間世帯視聴率で、開局以来初のプライム首位を獲得し、日本テレビの2年連続三冠王達成はならなかった(日本テレビは全日、ゴールデンの二冠)。さらに、2012年の年度視聴率、ならびに2013年の年間視聴率では、テレビ朝日がゴールデン、プライムの二冠を達成した(全日は共に日本テレビが首位)。 個人視聴率においては2011年から日本テレビが三冠王を11年連続で獲得している。
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