三冠目の挫折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 04:01 UTC 版)
キャリーバックは続く第2戦プリークネスステークスに出走した。同競走は喩えられたニードルズが敗れた競走であったが、キャリーバックは再び出遅れながらも再び追い込み劇を見せ、2着グローブマスターに3/4馬身差をつけて優勝、三冠に王手をかけた。 しかしキャリーバックにはベルモントステークスの1マイル1/2(約2414メートル)の距離は長いと考えられ、三冠最終戦は懸念を抱えたままの出走であった。9頭が登録するなか、キャリーバックは単勝1.45倍の断然1番人気に推された。例によって後方からのスタートを切り、第3コーナーから追い上げを図ろうとしたものの、そこからの伸びを欠いて前に追いつけず、大穴シャーラックの優勝から遅れること約15馬身後方の7着で競馬を終えた。競走後のキャリーバックの足首には異常が見られ、競走中の不調の要因となったとみなされた。 キャリーバックはベルモントステークス後から8月まで休養を取り、8月26日の7ハロン(約1408メートル)の一般戦で復帰した。ここは古馬との混合戦であったが、5歳馬の古豪レアライスをクビ差破って勝ちを得ている。9月2日にはジェロームハンデキャップに出走して再びシャーラックと対戦、128ポンド(約58.1キログラム)を背負いながらシャーラック、およびトラヴァーズステークス優勝馬のボープリンスなどを撃破した。 9月のユナイテッドネイションズハンデキャップは、キャリーバックにとって初の芝競走への挑戦であった。キャリーバックは123ポンド(約55.8キログラム)のトップハンデを課せられての出走で、7着に敗れている。翌戦は古馬との混合戦であるウッドワードステークスに出走、ここで前年の年度代表馬であるケルソと初対決したが、その力量差は歴然で、8馬身以上離された3着に敗れる惨敗であった。その後10月に入って、再び3歳限定戦のローレンスリアライゼーションステークスに出走したが、1マイル5/8(13ハロン・約2615メートル)はキャリーバックにとって厳しいもので、再びシャーラックに9馬身以上離されて敗北、3着で競走を終えた。 3連敗の後、キャリーバックは同年の最終戦として11月のトレントンハンデキャップに出走した。同競走には5歳の古豪インテンショナリーや、前走ローレンスリアライゼーションで2着だったアンビオポイズが出走していたが、キャリーバックはこれらを破って優勝、同年を勝ちで締めくくった。 この年16戦9勝、獲得賞金額は56万5349ドルに上る大活躍を見せた。同年の年度代表馬表彰においてはケルソが主要な部門を独占したものの、最優秀3歳牡馬部門においてはキャリーバックが満場一致で選出された。
※この「三冠目の挫折」の解説は、「キャリーバック」の解説の一部です。
「三冠目の挫折」を含む「キャリーバック」の記事については、「キャリーバック」の概要を参照ください。
- 三冠目の挫折のページへのリンク