一回切りケーブルカッタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 08:06 UTC 版)
「ケーブルカッター」の記事における「一回切りケーブルカッタ」の解説
1970年ごろの両手持ちタイプのケーブルカッタは、フェルコとHKPの2社が有名であり、園芸用剪定鋏で世界的に有名なフェルコの商品は、大阪市のカツヤマキカイが輸入総代理店として販売していた。 フェルコ(ドイツ語版) - スイスの剪定鋏専門メーカ、1945年に発明者のフェリクスにより創設される。 国内のマーベルがフェルコ方式の機構による単式レバー比タイプを、松阪鉄工所が複式レバー比タイプを商品化していた。その後、ジェフコム(DENSAN)もフェルコのタイプを発売している。ラチェット式のケーブルカッタは、ドイツのBAUDAT社が有名であり国産品はまだ無い時代でした。 マーベルは、1943年創業、ミノル工業の販売会社。 デンサン(DENSAN)は、1972年設立のジェフコムの電設工具ブランド。 単式レバー比のカッタは、最大容量のケーブルを切断する場合、刃先からケーブルを入れるためにハンドルを大きく広げなければならないので広い作業スペースを必要とし新設時の切断向きである。刃は、「両側アール刃組合せ」となっており、ハンドルはアルミ鍛造品または金型鋳造品(グラビティ鋳造品)となっている。絶縁タイプのカッタのハンドルはグラスファイバー製になっている。その絶縁性能については、公式機関でテストを受けて証明を受けている。 ケーブルの切断面は、より円形状に近い状態であり、その後の作業の皮むき(ストリッパー)や圧着端子取付け時に切断端面を修整する事が少なくてすむ。 複式レバー比のカッタは、ハンドルを大きく広げることなく使用できるが、最大径のケーブルを刃先から入れるために、刃は「片側アール刃片側直刃組合せ」が多い。切断面は、片側の刃が直刃のためケーブル径が大きいほど平坦部が出来やすく、D型端面形状になりやすい。そのため次の作業に移る前に端面形状を円形に修整が必要な場合もある。ハンドル部は、鍛造本体とパイプハンドルの組合せである。絶縁タイプのものは、アルミ鋳造本体とグラスファイバーパイプの組合せとなっている。 両タイプとも全長でほぼ同じ商品を比べてみると、ハンドル握り部に必要な力はほぼ変わらない事がわかる。これは、被切断材のケーブル切断位置と刃の支点との距離が単式レバー方式のほうが短いこと、フェルコ独特の三角形切断と言って被切断材を支点のほうに引き込む様に少しずつケーブル外周から素線を切断して行く事により最大切断荷重を小さくできる事による。 これら歴史のある商品も発売以来一見何も変わっていない様にみえるが、刃の加工についても加工する部分の面積を減らす工夫がなされたり、発売当初は不明であったがその後研究の結果、機能上必要でないと判明した部品をなくしたり、また部品の専用設計品から市販品への変更によるコストダウンの努力が続けられている。切断対象材は、主に銅より線・アルミより線であるが、鋼材の開発によりシリーズとして亜鉛めっき鋼より線の支持線も同時に切断可能商品も近年[いつ?]発売されている(MARVEL)。
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