ワーナーブラザースピクチャーズとは? わかりやすく解説

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ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 22:34 UTC 版)

ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
Warner Bros. Pictures
以前の社名
Warner Bros. Pictures, Inc. (1923–1967)
Warner Bros.-Seven Arts, Inc. (1967–1969)
Warner Bros. Inc. (1969–2003)
種類
部門
業種 娯楽
前身 ワーナー・フィーチャーズ・カンパニー
設立 1923年4月4日 (102年前) (1923-04-04)[1]
創業者
本社
事業地域
世界中
主要人物
  • マイケル・デ・ルカ&パメラ・アブディ(共同会長&CEO、ワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャーズ・グループ)
  • ジェシー・アーマン(社長、製作&開発)
  • スティーブ・スピラ(社長、商務)
製品
所有者 ワーナー・ブラザース・ディスカバリー
親会社 ワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループ
子会社
ウェブサイト www.warnerbros.com
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ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ(Warner Bros. Pictures)は、アメリカの映画製作配給スタジオであり、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下のワーナー・ブラザース・エンターテインメントの旗艦スタジオである。カリフォルニア州バーバンクワーナー・ブラザース・スタジオに本社を置く。ハリウッドの「ビッグ5」スタジオの一つ。

1923年にハリー・ワーナー、アルバート・ワーナー、サム・ワーナー、ジャック・L・ワーナーによって設立され、自社映画の製作に加え、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・アニメーションニュー・ライン・シネマキャッスル・ロック・エンターテインメントスパイグラス・メディア・グループ(少数株主)などのワーナー・ブラザースの他のレーベルや、様々な第三者のプロデューサーが製作・公開する映画の製作業務、劇場配給、マーケティング、プロモーションを行っている。

歴史

1927年、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、アメリカ系ユダヤ人のワーナー兄弟が、アル・ジョルスン主演の初の「トーキー」映画『ジャズ・シンガー』を発表し、映画業界に革命を起こした。残念なことに、創業メンバーのサム・ワーナーは、この映画のプレミア上映前に亡くなってしまった[2]。1923年から1967年まで、ワーナー・ブラザースは、映画産業に完全に焦点を当てていたため、「Warner Bros. Pictures, Inc.」という社名で知られていた。会社が長年に渡って多様化していくうえで、最終的には現在の親会社名に変更されたが、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは映画製作部門の名前として使われ続けた。

ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

ロゴは1984年から2019年まで使用された。

同部門は、映画の題材を多様化し、映画公開の観客を拡大するために、2003年3月3日にワーナー・ブラザース・ピクチャーズとして法人化された[3]。2008年に設立されたワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・グループの一員となり、ジェフ・ロビノフが初代社長に就任した[4]。2017年には、ニューラインの長年の幹部であるトビー・エメリッヒが社長として参加。2018年1月には会長に昇格した[5][6]。2018年10月23日、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・グループの社長であるリン・フランクが新たな機会を求めて退社することが発表された[7]。2019年6月、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズはSFスタジオとの間で、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドで映画を配給する契約を締結した[8]

他の多くの映画配給会社と同様に、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、2020年のCOVID-19パンデミックの際、劇場公開の制限により映画の公開に苦戦した。2020年に予定されていたいくつかの作品を2021年に延期した後、WBは2020年12月に、2021年の全作品を劇場で公開、『ワンダーウーマン 1984』を同月に公開と共にストリーミングサービス「HBO Max」で1カ月間同時に配信するという異例の方法を取ることを発表した[9]。1ヵ月後には、これらの作品は劇場で公開され、その後、通常の公開スケジュールで家庭用メディアで提供されることになる。ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、この計画を発表前に誰にも知らすことがなかったため、ストリーミングを含むこの動きは、製作会社、監督、俳優から批判を受けた。また、ストリーミング・オプションによってギャラが下がるのではないかという懸念もあり[10]、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、2021年1月までに対象作品の報酬率を変更し、これらの作品のキャストやスタッフに多額のギャラを支払うことになった[11]

しかし、それも束の間、2021年3月、ワーナー・ブラザースは、スタジオがシネワールドリーガル・シネマズを運営)と合意したことにより、2022年に当日配信を廃止し、代わりに45日間の劇場独占公開を行うことが発表された[12]

映画ライブラリー

ワーナー・ブラザース・スタジオの第4ゲートから見た南側の給水塔

スタジオ初の実写映画は『My Four Years in Germany』(1918年)、初のアニメーション映画は『Gay Purr-ee』(1962年)。ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・アニメーションが制作したアニメーション映画は、ワーナー・ブラザース映画でも公開されている。同スタジオは、アカデミー賞の作品賞にノミネートされた25作品を公開している。『ディズレーリ』(1929年)、『仮面の米国』(1932年)、『四十二番街』(1933年)、『Here Comes the Navy』(1934年)、『真夏の夜の夢』(1935年)、『風雲児アドヴァース』(1936年)、『ゾラの生涯』(1937年)、『ロビンフッドの冒険』(1938年)、『四人の姉妹』(1938年)、『黒蘭の女』(1938年)、『愛の勝利』(1939年)などが挙げられる。

興行収入を多く挙げた作品

ロゴは2019年から2023年まで使用された。
北米で興行収入を多く挙げた作品[13]
順位 作品 興行収入
1 ダークナイト 2008 $533,720,947
2 ダークナイト ライジング 2012 $448,139,099
3 ワンダーウーマン 2017 $412,563,408
4 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 2011 $381,193,157
5 THE BATMAN-ザ・バットマン- 2022 $369,345,583
6 ジョーカー 2019 $335,451,311
7 アクアマン 2018 $335,061,807
8 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 2017 $330,126,372
9 アメリカン・スナイパー 2014 $325,100,054
10 ハリー・ポッターと賢者の石 2001 $317,871,467
11 ホビット 思いがけない冒険1 2012 $303,003,568
12 ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009 $302,089,278
13 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 2010 $296,131,568
14 インセプション 2010 $292,576,195
15 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 2007 $292,137,260
16 マン・オブ・スティール 2013 $291,045,518
17 ハリー・ポッターと炎のゴブレット 2005 $290,201,752
18 マトリックス リローデッド 2003 $281,553,689
19 ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 2009 $277,322,503
20 ゼロ・グラビティ 2013 $274,092,705
21 ハリー・ポッターと秘密の部屋 2002 $262,233,381
22 ホビット 竜に奪われた王国 1 2013 $258,241,522
23 LEGO(R)ムービー 2014 $257,784,718
24 アイ・アム・レジェンド 2007 $256,393,010
25 ホビット 決戦のゆくえ 2014 $255,119,788
全世界で興行収入を多く挙げた作品名
順位 作品 興行収入
1 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 2011 $1,342,932,398
2 アクアマン 2018 $1,148,461,807
3 ダークナイト ライジング 2012 $1,084,939,099
4 ジョーカー 2019 $1,074,251,311
5 ホビット 思いがけない冒険1 2012 $1,021,103,568
6 ハリー・ポッターと賢者の石 2001 $1,006,260,000
7 ダークナイト 2008 $1,004,934,033
8 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 2010 $977,431,568
9 ホビット 竜に奪われた王国 1 2013 $958,366,855
10 ホビット 決戦のゆくえ1 2014 $956,019,788
11 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 2007 $942,018,451
12 ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009 $934,546,568
13 ハリー・ポッターと炎のゴブレット 2005 $897,099,794
14 ハリー・ポッターと秘密の部屋 2002 $880,225,135
15 バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 2016 $873,634,919
16 インセプション 2010 $836,836,967
17 ワンダーウーマン 2017 $821,847,012
18 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 2016 $814,037,575
19 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 2004 $796,907,323
20 THE BATMAN-ザ・バットマン- 2022 $770,836,163
21 スーサイド・スクワッド 2016 $746,846,894
22 マトリックス リローデッド 2003 $742,128,461
23 ゼロ・グラビティ 2013 $723,192,705
24 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 2017 $701,800,748
25 インターステラー 2014 $701,502,499

日本で興行を多く挙げた作品[14]

順位 作品名 公開年 興行収入(億円)
1 ハリー・ポッターと賢者の石 2001 203.0
2 ハリー・ポッターと秘密の部屋 2002 173.0
3 ラスト サムライ 2003 137.0
4 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 2004 135.0
5 マトリックス リローデッド 2003 110.0
ハリー・ポッターと炎のゴブレット 2005
7 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 2011 96.7
8 A.I. 2001 96.6
9 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 2007 94.0
10 マトリックス 1999 87.0
11 ターミネーター3 2003 82.0[15]
12 ハリー・ポッターと謎のプリンス 2009 80.0
13 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 2016 73.4
14 オーシャンズ11 2002 69.0
15 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 2010 68.6
16 マトリックス レボリューションズ 2003 67.0
17 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 2018 65.7
18 タワーリング・インフェルノ 1975 62.2[16]
19 ボディガード 1992 61.0
20 グレムリン 1984 54.4
21 チャーリーとチョコレート工場 2005 53.5
22 硫黄島からの手紙 2006 51.0
23 ジョーカー 2019 50.6
24 ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 2022 46.0
25 ツイスター 1996 45.3[17]

脚注

注釈

  1. ^ニュー・ライン・シネマメトロ・ゴールドウィン・メイヤー・ピクチャーズ(製作)の共同所有。

出典

  1. ^ Company history”. WarnerBros.com. 2015年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月9日閲覧。
  2. ^ “Warner, Movie Magnate, Dies: Sam Warner, Former Youngstown Man, Rose from Obscurity to Leader in Field”. The Youngstown Daily Vindicator. (1927年10月5日) 
  3. ^ Business Entity Detail: Warner Bros. Pictures (search on Entity Number: C2502930)”. California Business Search. California Secretary of State. 2019年6月19日閲覧。
  4. ^ Halbfinger, David (2007年11月27日). “Warner's Production Chief to Also Oversee Distribution”. オリジナルの2019年12月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191219155719/https://www.nytimes.com/2007/11/27/business/media/27studio.html 
  5. ^ Lang, Brent (2018年1月9日). “Warner Bros. Shake-Up: Toby Emmerich Named Film Chairman, Sue Kroll Out” (英語). Variety. 2020年2月7日閲覧。
  6. ^ Warner Bros. Shake-Up: Toby Emmerich Named Film Chairman, Sue Kroll Out”. Variety (2018年1月9日). 2021年8月3日閲覧。
  7. ^ Warner Bros International Marketing President Lynne Frank To Exit”. Deadline (2018年10月23日). 2021年8月3日閲覧。
  8. ^ Warner Bros, SF Studios Expand Distribution Deal Across Scandinavia”. Variety (2019年6月25日). 2021年8月3日閲覧。
  9. ^ Rubin, Rebecca (2020年12月3日). “Warner Bros. to Debut Entire 2021 Film Slate, Including ‘Dune’ and ‘Matrix 4,’ Both on HBO Max and In Theaters”. Variety. 2020年12月3日閲覧。
  10. ^ Barnes, Brooks (2020年12月7日). “Trading Box Office for Streaming, but Stars Still Want Their Money”. The New York Times. 2021年1月18日閲覧。
  11. ^ Shaw, Lucas (2021年1月9日). “Warner Bros. Guarantees Filmmakers a Payday for HBO Max Movies”. Bloomberg News. 2021年1月18日閲覧。
  12. ^ Regal Cinemas To Reopen In April; Parent Cineworld & Warner Bros Reach Multi-Year Deal To Show WB Films In U.S. & UK”. Deadline (2021年3月23日). 2021年3月24日閲覧。 “Cineworld and Warner Bros have also hatched a multi-year agreement that will see the No. 2 global exhibitor show the studio’s 2021 theatrical and HBO Max day-and-date titles in the U.S. as of their theatrical release. Then, beginning in 2022, Warner Bros theatrical films will have a 45-day window of theatrical exclusivity at Cineworld’s Regal chain.”
  13. ^ Box Office by Studio – Warner Bros. All Time”. Box Office Mojo. 2017年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月15日閲覧。
  14. ^ 日本国内制作作品(『デスノート』シリーズなど)を除く。
  15. ^ 北米のみ、日本では、東宝東和が配給。
  16. ^ 20世紀FOXと共同配給。
  17. ^ 北米のみ。日本では、UIP配給

ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 13:58 UTC 版)

「ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ」の記事における「ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ」の解説

部門は、映画の題材多様化し映画公開観客拡大するために、2003年3月3日にワーナー・ブラザース・ピクチャーズとして法人化された。2008年設立されたワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・グループの一員となり、ジェフ・ロビノフが初代社長就任した2017年には、ニューラインの長年幹部であるトビー・エメリッヒが社長として参加2018年1月には会長昇格した2018年10月23日、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・グループの社長であるリン・フランクが新たな機会求めて退社することが発表された。2019年6月、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズはSFスタジオとの間で、スウェーデンデンマークノルウェーフィンランド映画配給する契約締結した。 他の多く映画配給会社同様に、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、2020年COVID-19パンデミックの際、劇場公開制限により映画公開苦戦した2020年予定されていたいくつかの作品2021年延期した後、WB2020年12月に、2021年全作品劇場公開、『ワンダーウーマン 1984』を同月公開と共にストリーミングサービスHBO Max」で1カ月同時に配信するという異例方法を取ることを発表した1ヵ月後には、これらの作品劇場公開されその後通常の公開スケジュール家庭用メディア提供されることになる。ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、この計画発表前に誰にも知らすことがなかったため、ストリーミングを含むこの動きは、製作会社監督俳優から批判受けたまた、ストリーミング・オプションによってギャラが下がるのではないかという懸念もあり、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズは、2021年1月までに対象作品報酬率を変更し、これらの作品キャストスタッフ多額ギャラ支払うことになった。 しかし、それも束の間2021年3月ワーナー・ブラザースは、スタジオシネワールドリーガル・シネマズ運営)と合意したことにより、2022年当日配信廃止し代わりに45日間劇場独占公開を行うことが発表された。

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