ワクチン忌避・反ワクチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 22:07 UTC 版)
「ワクチン」の記事における「ワクチン忌避・反ワクチン」の解説
詳細は「ワクチン忌避」を参照 ワクチンの危険性やワクチンへの不安をもとにワクチンを忌避する「ワクチン忌避」や、反ワクチン運動がこれまでに多くの国で起こってきた。 ノーベル経済学賞の受賞者であるダニエル・カーネマンの2015年の言によれば、人々は巷で流行する疾病で死ぬよりもワクチンの副作用で死ぬことを恐れる場合があるのだという。もしワクチン接種後に子供が死んでしまったら、子供にワクチンを受けさせたことがその親にとって多大なトラウマになってしまうというのである。カーネマンの著書で2つの思考プロセスに言及している。1つ目は、何か感情を揺さぶるような出来事が起きた時に働くような自動的で即座の思考プロセスである。2つ目は、おちついた意識的労力をともなう思考プロセスである。ワクチン接種の損得を考える時には一般的に2番目の思考プロセスが使われるが、ワクチンの副作用で子供を危険に晒すといった恐怖が1番目の思考法を促してしまうわけである。統計的データよりも感情を揺さぶるような個々のケースに我々は強く反応しがちなのだとカーネマンは述べる。 リュック・モンタニエもエイズウイルスの発見でノーベル医学生理学賞を受賞した人物であるが、2018年にもワクチンの過信は危険だと訴え、アルミニウム塩(チメロサールやアジュバント)の使用に脳や健康に影響を与える可能性があるため、これをカルシウム塩などに変える必要性や、ワクチンに関する研究の必要性を訴えた。例えば乳酸菌を用いた経口のワクチンが開発中である。 2017年には、イタリアで子供が予防接種を受けるかどうかには自己決定権があるとするFreevaxという運動が開催され、数千人が集い厚生労働大臣に抗議を訴えた。イタリアではワクチンの副作用の噂による接種拒否で、麻疹患者が3倍に急増したことを受け、2017年5月から国立保育園・小学校に入る6歳以下の児童に12種類のワクチンを義務付け、未接種児童の保護者に罰金を科している。
※この「ワクチン忌避・反ワクチン」の解説は、「ワクチン」の解説の一部です。
「ワクチン忌避・反ワクチン」を含む「ワクチン」の記事については、「ワクチン」の概要を参照ください。
- ワクチン忌避・反ワクチンのページへのリンク