ワクチン実効性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 03:42 UTC 版)
「COVID-19ワクチン」の記事における「ワクチン実効性」の解説
ワクチン実効性(vaccine effectiveness)に関する実社会での研究では、特定のワクチンが、理想的とは言えない日常的な条件下で、大規模な集団におけるワクチン接種者のCOVID-19の感染、症状、入院、死亡をどの程度防ぐことができたかを測定する。 イスラエルでは、2020年12月20日から2021年1月28日までの期間にモデルナまたはファイザー-バイオンテックのワクチンを接種した715,425人のうち、2回目の接種から7日後からの期間に、317人(0.04%)のみが軽度/中等度のCovid-19症状で発病し、16人(0.002%)のみが入院したことが確認された。 米国疾病予防管理センターの報告書によると、ファイザー-バイオンテック社およびモデルナ社のCovid-19ワクチンは、非常に効果的な防御を提供する。実際の環境下では、症状の状態にかかわらず、SARS-CoV-2感染に対して、完全免疫(2回目の投与から14日以上後)のmRNAワクチンの実効性は90%、部分免疫(1回目の投与から14日以上で2回目の投与前)のワクチン実効性は80%であった。 英国の104の病院に勤務する15,121人の医療従事者は、調査前に全員のCOVID-19抗体が陰性であったが、2020年12月7日から2021年2月5日まで、系統 B.1.1.7が優勢変異株として循環していた時期に、週2回の逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査で追跡調査を行った。この研究では、ワクチンを接種した90.7%のコホート(母集団)と、ワクチンを接種しなかった9.3%のコホートの陽性結果を比較し、ファイザー-バイオンテック社のワクチンは、全ての感染症(無症候性を含む)を、1回目の接種から3週間後には72%(58-86%)減少させ、2回目の接種から1週間後には86%(76-97%)減少させたことがわかった。 2021年1月17日から3月6日まで、系統B.1.1.7が優勢変異株として循環していた時期に、イスラエルの一般住民を対象に行われた研究では、ファイザー社ワクチンにより、無症候性COVID-19感染症が94%、症候性COVID-19感染症が97%減少したことが明らかになった。 アメリカのメイヨー・クリニックの術前患者を対象とした研究では、mRNAワクチンが無症候性感染症に対して80%の防御効果があることが示された。 中国疾病管理センターの所長である高福は、2021年4月10日に開催された会議で、中国製ワクチンは「防御率はあまり高くない」と認めた。民間企業であるシノバック社が開発したCoronaVacワクチンは、ブラジルでの臨床試験で有効率が50.4%にとどまることが判明した。トルコで行われた別の試験では、83.5%の実効性が示された。国営のシノファーム社によると、その2つのワクチンの有効率は79.4%と72.5%である。 ワクチンCOVID-19の重症度別の実効性調査国Refs無症候症候性死亡ファイザー-バイオンテック 〜86% (76-97%) Not reported United Kingdom 〜90% (68-97%) 〜100% United States 〜94% 〜97% Israel モデルナ 〜90% (68-97%) 〜100% United States CoronaVac Not reported 〜67% (65-69%) 〜80% (73-86%) Chile スプートニクV Not reported 〜98% Not reported Russia ^ a b 研究で検出された症例はなかった。
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