ワイル群
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数学、特にリー環の理論において、ルート系 Φ のワイル群(英: Weyl group)は、ルート系の等長変換群の部分群である。具体的には、ルートに直交する超平面に関する鏡映によって生成される部分群のことで、そのようなものとして有限鏡映群である。抽象的には、ワイル群は有限コクセター群であり、その重要な例である。
注
出典
- ^ Hall 2015, Propositions 8.23 and 8.27.
- ^ a b Popov & Fedenko 2001.
- ^ Hall 2015, Theorem 11.36.
- ^ a b Hämmerli, Matthey & Suter 2004
ワイルの部屋
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Φ のルートによって定義される超平面を除くことによって、ユークリッド空間は有限個の開集合に分かれ、それらはワイルの部屋 (Weyl chamber) と呼ばれる。これらはワイル群の作用によって置換され、この作用が単純推移的であることは定理である。とくに、ワイル chamber の個数はワイル群の位数に等しい。任意の非零ベクトル v はユークリッド空間を v に直交する超平面 v∧ を境界とする2つの半空間 v+ と v− に分ける。v があるワイル chamber に属するときには、どのルートも v∧ に入らないので、すべてのルートは v+ あるいは v− に入り、α が一方に入っていれば −α は他方に入る。したがって Φ+ := Φ∩v+ は Φ のルートたちのちょうど半分からなる。もちろん Φ+ は v に依るが、v が同じワイル chamber にいるときには変わらない。選択 Φ+ に関するルート系の底 (base) は Φ+ の単純ルート (simple root)、すなわち Φ+ の2つのルートの和として書けないようなルート、の全体の集合である。したがって、ワイル chamber、集合 Φ+、底は各1つが他を決定し、ワイル群はいずれにも単純推移的に作用する。以下の図はルート系 A2 の6つのワイル chambers、v の選択、(点線で示された)超平面 v∧、正ルート α, β, γ を示している。この場合の底は {α, γ} である。
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