ロッキード式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:58 UTC 版)
「日本ロッキード・モノレール」も参照 ロッキード式は、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるロッキード社が開発した方式である。コンクリート製の軌道の上に鉄のレール(主レール)を敷き、その上を鉄の車輪を使って走行する。鉄製の車輪のため、小径の車輪でも車輌の重量を負担することができ、室内の床は平面ですむ。また車体を安定させるために、主レールの頭部側面を左右から上部安定輪でおさえている。さらにコンクリート桁の左右下部にも鉄レール(サイドレール)が設けられており、そのレールを左右から下部安定輪でおさえている。 日本では、ロッキード社から技術を導入するため、川崎航空機工業、川崎車両、日本電気、西松建設、北海道炭礦汽船、丸紅飯田などが出資した日本ロッキード・モノレールが1961年5月に設立された。当初は時速160km/hでの高速営業運転が可能である、乗り心地が良い、といった点をアピールポイントとしていた。姫路 - 鳥取間を高速ロッキード式モノレールで繋ぐという計画もあった。しかし、鉄路であるため騒音が激しく、メンテナンス自体も鉄道並みに煩雑で、経年変化により揺れも激しくなるなど、デメリットが目立ち(当時の記録映像でも車内で揺れが激しいことが見て取れる)、日本以外での導入事例はなく、ロッキード社自体もこのモノレール事業からは早々に撤退した。 この方式は、姫路市交通局(当時、のち姫路市企業局交通事業部を経て廃止)の姫路市営モノレール(1966年開業 - 1974年休止・1979年廃止)と、小田急電鉄の向ヶ丘遊園モノレール線(1966年開業 - 2000年休止・2001年廃止)の2路線で採用された。いずれもすでに廃止されており、現存路線は存在しない。 ロッキード式モノレールの軌道と車輪の配置図 ロッキード式を採用した小田急向ヶ丘遊園モノレール線。軌道上に鉄のレールが見える ロッキード式を採用した姫路市営モノレールの保存車両
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