リベラル・フェミニズムとフェミニスト・セックス戦争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 22:35 UTC 版)
「ゲーマーゲート論争」の記事における「リベラル・フェミニズムとフェミニスト・セックス戦争」の解説
詳細は「フェミニスト・セックス戦争」および「リベラル・フェミニズム」を参照 フェミニストの中でも様々な意見・主張がある。よってラディカル・フェミニスト以外のフェミニストによって「ふしだらである」「常識的ではない」「(このような表現を好む者は)気味が悪い」「オタク向けの演出や表現は生理的に受けつけない」などの理由で表現批判がなされたとしても、「フェミニストは総じて表現規制を求めている」「表現規制を求める者はフェミニストである」などの断言はできない。 性的対象化の観点から表現規制を強く求める傾向にあるラディカル・フェミニストの立場と、表現の自由を重視するリベラル・フェミニストの立場では表現規制についての見解は往々にして対立している。ラディカル・フェミニストがポルノグラフィ批判を始めたことで起きた、1970年代後半~1980年代初頭のフェミニストの議論・論争は、フェミニスト・セックス戦争、ポルノグラフィ論争、フェミニズム・セックス・ウォー(feminism Sex Wars)などの通称で知られる。 著名なリベラル・フェミニストにはナディーン・ストロッセンやエリザベット・バダンテールなどがいるが、あくまで実在女性に対して行われる暴力や人権侵害のみを問題とし、女性の選択の自由や自己表現の観点から、セクシーな服装やアダルト産業従事者、それを求める男性の権利を認める者も多い。エリザベット・バダンテールは、女性に対する暴力は断固として糾弾せねばならないとしつつ、女性というジェンダーを「犠牲者化」するきらいのあるラディカル・フェミニズムを批判し、とくにアンドレア・ドウォーキンとキャサリン・マッキノンに対しては、「極端すぎて女性を笑いものにする」と強く反対した。 フェミニストで東京大学名誉教授でありNPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長の上野千鶴子は、ラディカル・フェミニズムにもいろいろあり、フェミニズムの論者は多様で、一枚岩ではくくれないとしている。これは俗に「フェミニズムは一人一派」 といわれる。特に一番大きな誤解は、フェミニストと、フェミニストではない保守的なモラル・マジョリティが混同されることである。 また上野千鶴子自身は、自分の意見がフェミニズムの主流ではないとしたうえで、「『ポルノは理論であり、レイプは実践』だというキャサリン・マッキノンの主張に同意しない。インターネットやDVDなどバーチャルな性的表現物をたくさん消費する男性が、実際の性生活で必ずしも積極的ではないという調査結果がある」「(ポルノの商業化されたイメージに頻繁にハマると、実際の女性たちには性的興味を感じられなくなる状況も発生すると言われるが)彼らはレイプ犯になるはずのない平和な男たちで、何の問題も感じない」としている。
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