ランダルカスタム(ランダル銃)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 09:01 UTC 版)
「拳銃無宿 (テレビドラマ)」の記事における「ランダルカスタム(ランダル銃)」の解説
ランダルカスタムはレバーアクションライフルのウィンチェスターM1892の銃身を切り詰めたソード・オフ(鋸でカット)したような改造を施した上、ループレバー(手を入れる部分を大きく広げた可動用心鉄。ジョン・ウェインが『駅馬車』や『勇気ある追跡』やその他の作品で使用したウェイン特製のM92カービンでも見ることができる)を取り付けた改造銃である。銃身と共に管状弾倉も短縮化されてしまっているので装弾数はオリジナルより劣るが、ブランクカートリッジの最大装填数は弾倉内に6発装填出来る。 ループレバーを取り付けると、ランダル銃自体をクルリと一回転させるスピンコックより片手装填できるようになり、腰に吊したホルスターから拳銃のように抜き撃ち可能となるアクションから人気を呼んだ。実際のM92では一回転させるとカートリッジは空中に放出されるそうである。日本ではモデルガンメーカーが主人公の名を取って「ランダルカスタム」と呼び(それまでは「ランダル銃」と呼ばれた)、放送から50年近くたった後でもモデルガンやエアソフトガンが発表されている。 アメリカでは散弾銃を切り詰めたものをホグスレッグ(hog's leg: 豚の後脚)とスラングで呼ぶことになぞらえ、この銃はメアーズレッグ(mare's laig: 雌馬の後脚)と呼ばれていた(どこの資料にも laig と記載されている[どれ?])。 試作時に反動が強くなりすぎたため、ランダルカスタムは実際の撮影では装薬量を4分の1に減らして使用された。それでも撮影当初は警察当局の立会いが必要であった。M1873はコルト・フロンティアシックスシューター(西部劇に一番多く出てくる回転式拳銃)と同じ44-40拳銃弾を使用するため、銃がより重いために反動は拳銃より小さく、ソード・オフしても反動が強くなりすぎることはない。対してM1892は拳銃弾よりも強力な32-20ライフル弾を使用した本格的なライフル銃となるため、ソード・オフすると跳ね上がるので、コントロールを容易にすべく装薬量を減らして対処する必要があった。空包には反動は無いとの証言もある。また、小型化した銃床に肩付けできないのも反動が強くなった一因である(ライフルを構える場合、両手と肩を使う三点保持だが、ランダル銃は両手による二点保持な上、場合によっては片手のみの一点保持になるので、安定性と反動吸収効率が良くない。空包は5-IN1(ファイブ・イン・ワン)ブランクカートリッジが使われた。38-40 and .44-40 Winchester rifles and but also .45 Colt.44 Special, .44 Magnum, and .410 gauge firearms. 5-in-1 blanks は2種類のライフル、3種類のリボルバーに使える空包のこと。 時代設定(1870年代)からすると、モデルは「西部を征服した銃」のニックネームを持つウィンチェスターM1873であるのが妥当である。しかし、この当時の西部劇では時代背景に関係なく、ウィンチェスターライフルはM1873の後継機であるM1892を使用するのが普通だった。これは当時、稀少品であるM1873を撮影用に数多く揃えられなかったのと、1970年代までウィンチェスター社でM1892を生産しており、入手の容易さが圧倒的に違ったためであり(M1873ほか、ヘンリーライフルやレミントンM1868ニューアーミーなど西部開拓時代の各種レプリカ銃器が出回るようになったのは、1980年代になってからである)、時代考証的には間違いであろうと一概に非難できない事情がある。また放送当時、マックイーンがM1892をベースにランダルカスタムを作らせたとの話もある。メアーズレッグは2種類(前期型、後期型)があり、前期型は銃身が丸型、後期型は銃身が八角形でマックイーンが扱いやすくするため細部にわたり特注したものである。
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