ラムセス2世像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 14:28 UTC 版)
「メンフィス (エジプト)」の記事における「ラムセス2世像」の解説
古代メンフィスの遺跡はラムセス2世の姿を映した多数の彫像をもたらした。 メンフィスの博物館には約10メートルの長さを持つ石灰岩で作られた記念碑的な石像がある。それは1820年にプタハ神殿の南門のそばでイタリア人の考古学者ジョヴァンニ・カヴィグリア(英語版)によって発見された。彫刻の基礎と足の部分は胴体部から切り離されているので現在は背中の部分を地面に付けて横たわって展示されている。一部の色彩が保存されているが、この像の美しさは人体の解剖学的構造の微妙さを完璧かつ詳細に表現していることにある。このファラオは上エジプトの白色王冠ヘジェトを被っている。 カヴィグリアはイッポリト・ロゼリーニ(英語版)の仲介を通して、この像をトスカーナ公レオポルド2世に送るよう提案した。ロゼリーニは主君に輸送にかかる莫大な費用についてアドバイスし、必要に応じて巨像を切断して運ぶ事を検討した。ワーリー(総督)であり、自らをエジプトとスーダンのカディーブ(英語版)であると宣言したムハンマド・アリーは、巨像を大英博物館に寄付することを提案したが、ロンドンにこの巨大な像を輸送することは困難であるためこれは拒否された。結局、巨像はメンフィス遺跡から運び出されることはなく、現地に建造された展示館の中で保全されている。 この巨像は歴史的にプタハ神殿の東のエントランスを飾った1対の像の片方であった。もう片方(英語版)も同じ年にカヴィグリアによって発見されており、1950年代に11メートルの高さで立った状態に復元された。最初はカイロのバーブ・アル・ハディード・スクエアで展示され、この施設はその後ラムセス・スクエアに名前が変更された。しかし不適切な場所であると見なされ、2006年にギーザの一時保管場所に移動し、現在は修復中である。この像は2018年開館予定の大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)のエントランスに展示される予定である。彫像のレプリカがカイロ近郊のヘリオポリス(英語版)に立つ。
※この「ラムセス2世像」の解説は、「メンフィス (エジプト)」の解説の一部です。
「ラムセス2世像」を含む「メンフィス (エジプト)」の記事については、「メンフィス (エジプト)」の概要を参照ください。
- ラムセス2世像のページへのリンク