ライトスタッフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 04:11 UTC 版)
「チャック・イェーガー」の記事における「ライトスタッフ」の解説
イェーガーはトム・ウルフのドキュメンタリー小説『ライトスタッフ』および同書を原作とした映画の主人公の一人となった。映画ではイェーガーはテクニカル・アドバイザーとして製作に参加し、自身もカメオ出演している。ただし、映画には演出上、史実と異なる部分が存在する。X-1は(3号機がベル社の社内試験中に爆発したことはあったが)実際には墜落事故は起こしておらず、イェーガーが直前にパイロットとして選ばれたというのもフィクションである。NF-104が飛行する際にイェーガーが飛行許可を取らなかったというのも事実ではなく、ロシアの高度記録を破る許可を得なかったというのが史実である。ただし、上記のように骨折したままX-1に乗ったのは事実であり、NF-104の射出座席によって頭と腕に三ヶ所の火傷を負ったのも事実である。 人類初の音速突破に関しては、P-47戦闘機のパイロットが急降下時に音速を突破したという証言があるが、パイロットの名前、日時など不明な点が多い。ドイツ人のハンス・ギド・ミュッケ(英語版)は、1945年4月9日にメッサーシュミット Me262で音速を破ったとの主張があるが、こちらは信憑性が薄いとされる。マッハ計が装備されていない機体では、高速飛行時に速度表示に誤差を生じることが指摘されている(cf. 音の壁)。一方、アメリカ人のジョージ・ウェルチ(英語版)が、イェーガーが音速を突破する2週間前の10月1日に、XP-86で音速を破ったという説もあり、こちらは信憑性が高い。彼は10月14日10時29分のちょうど30分前にも音速飛行を行ったとされている。しかしこれについては、公式に認められた記録ではない。この件についてアメリカ空軍は、イェーガーとX-1は"水平飛行"で音速を突破した最初の例だと述べている。これはイェーガー以前に音速が突破されていたという主張を公式に認めたようにも取れる。ただし、人間でなくて航空機の場合においては、いわゆる「超音速機」というのは、水平飛行で音速を突破できる航空機のことであり、急降下・緩降下で音速を突破できる航空機は超音速機の範疇に含めないのは事実である(推力が不十分で水平飛行で音速を超えられない機体でも、機体強度が十分であれば降下での音速突破は可能であり、かつ造波抵抗や操縦安定性などの条件を満たせば安定して飛行することも不可能ではない)。
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