ライオンとユニコーンとは? わかりやすく解説

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ライオンとユニコーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/09 23:08 UTC 版)

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ウォルター・クレイン画『ライオンとユニコーン』/ 1915年より前の作。

ライオンとユニコーン(原題: "The Lion and the Unicorn")は、イギリスを中心とした英語圏の童謡であるマザー・グースの1編、およびルイス・キャロル著『鏡の国のアリス』(1871年)に登場するキャラクターである。

唄の起源

ライオンイングランド王家の紋章を、ユニコーンスコットランド王家の紋章をそれぞれ表し、1603年エリザベス1世の死後、スコットランド王ジェームズ6世がイングランド王位を継承したことによる両国の統合に至るまでの対立を歌ったものと言われている[1][注 1]。ただし、「ライオンがユニコーンをやっつけて街のあちこち追いかけ回す」という歌詞からは、むしろ統合後のイングランドによるスコットランドの征服や、スコットランドの反乱とその制圧を表しているとも読み取れる。

歌詞

『鏡の国のアリス』のライオンとユニコーン

『鏡の国のアリス』原作版(1871年刊)所収の、ライオンとユニコーンの挿絵 / ジョン・テニエル画。
『鏡の国のアリス』刊行時(1871年)における、グレートブリテン王国の国章
  • 鏡の国のアリス』では、この童謡の歌詞からとられたキャラクターであるライオンとユニコーンが唄のとおりに戦い、2人はその休憩時間中にプラムケーキを切り分けようとしていたアリスのことを化け物と言ったり、ケーキの切り方に文句を言ったりした挙句、時間切れのためケーキをもらいそこねてしまう。
  • 『鏡の国のアリス』では、唄の最終節「どちらも街から追い出した」 (And sent them out of town) の歌詞が、「太鼓たたいて街から追い出した (And drummed them out of town) に変えられている。
  • マーティン・ガードナーによる『鏡の国のアリス』の注釈によると、ライオンはグラッドストンを、ユニコーンはディズレーリを戯画化したものと考えられていた。このライオンとユニコーンは、それぞれジョン・テニエルが『パンチ』誌上に掲載したグラッドストンとディズレーリの漫画にそっくりである[2]

引用作品

脚注

注釈

  1. ^ 統合後のイギリスの紋章は、ライオンとユニコーンが向き合ったデザインになっている。
  2. ^ ここでの日本語訳は、宮崎照代著『マザーグース英国飛行』(白泉社、1995年)、鷲津名都江著『英国への招待 マザー・グースをたずねて』(筑摩書房、1996年)、藤野紀男著『図説 マザーグース』(河出書房新社、2007年)等を参考に、記事作成者が行ったものである。細部の解釈については、諸般の訳本を参照されたい。
  3. ^ 引用されている唄の最終節の歌詞が「太鼓で街から追い出した」とあるので、マザー・グースからの引用ではなく『鏡の国のアリス』からの引用である。

出典

  1. ^ 宮崎照代著『マザーグース英国飛行』(白泉社、1995年)、鷲津名都江著『英国への招待 マザー・グースをたずねて』(筑摩書房、1996年)、およびカーター・ディクスン著『一角獣の殺人』(創元推理文庫、2009年)の巻末解説(山口雅也「カーが書いた混沌のマザーグース・ミステリ」)、参照。
  2. ^ ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』マーチン・ガードナー 注、高山宏 訳、東京図書、1980年10月3日、140-141頁。ISBN 4-489-01085-0 

参考文献

ASIN B000J84LL2ISBN 4-489-01085-0ISBN 978-4-489-01085-9OCLC 28521083国立国会図書館書誌ID: 000001475175
ISBN 4-309-76092-9ISBN 978-4-309-76092-6NCID BA81559855OCLC 676169132国立国会図書館書誌ID: 000008478124
  • 宮崎照代(絵、文)『マザーグース英国飛行』白泉社〈Moe books〉、1995年10月。 
ISBN 4-592-73130-1ISBN 978-4-592-73130-6NCID BN13960351OCLC 674471096国立国会図書館書誌ID: 000002466023
ISBN 4-480-83900-3ISBN 978-4-480-83900-8NCID BN1464721XOCLC 47314305国立国会図書館書誌ID: 000002524518

関連項目


ライオンとユニコーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 16:57 UTC 版)

鏡の国のアリスのキャラクター」の記事における「ライオンとユニコーン」の解説

詳細は「ライオンとユニコーン」を参照 第7章登場する白の王様の王冠めぐって町中争っている2匹アリス使者案内されて、白の王とともに彼らの戦い見物する戦い一休みした2匹には白パン黒パン与えられその後プラムケーキ出されて、ユニコーンから伝説の生き物扱いされたアリスがその切り分け担当する。しかしケーキ食べ始め前に大きな太鼓の音が響き渡り食事の邪魔をすることになる。 この二匹が戦うエピソードは、やはり本文引用されているマザーグース「ライオンとユニコーン」をそのまま踏襲したのである。 ライオンとユニコーン王冠をかけて戦ったライオンユニコーン町中追い回して勝った あるものは彼らに白パンをまたあるものは黒パン与えたあるものはプラムケーキ与えてそれから太鼓で街から追い出した この童謡17世紀のはじめの、イングランドスコットランドとの統合起源を持つものと考えられている。ライオンとユニコーンは、前者イングランド紋章を、後者スコットランド紋章支え動物サポーター)であり、1603年スコットランド王ジェームズ6世イングランド王継承したことによって、イングランド紋章左側ライオンが、右側ユニコーン支える形になったジョン・テニエルによるライオンとユニコーンの挿絵は、モデルにしたというはっきりとした証拠はないものの、絶え互いに言い争っていた政治家ウィリアム・グラッドストンベンジャミン・ディズレーリそれぞれ似せて描かれていると言われている。

※この「ライオンとユニコーン」の解説は、「鏡の国のアリスのキャラクター」の解説の一部です。
「ライオンとユニコーン」を含む「鏡の国のアリスのキャラクター」の記事については、「鏡の国のアリスのキャラクター」の概要を参照ください。

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