モデルとその様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 07:55 UTC 版)
「小悪魔ageha」の記事における「モデルとその様式」の解説
『小悪魔ageha』の専属モデルは“ageモ”と呼ばれ、不定期に登場するモデルらは“age嬢”と呼ばれる。この娘たちは日本列島各地の“宵闇の街”に生きる現役のホステスが大半を占めている。『ハピーナッツ』誌のモデルらとは違い、色黒日焼け肌であることは特には要求されず、その独特の様式は“アゲハ系”などと呼ばれ、10代から20代の女性達の間で高い人気を獲得するに至る。典型的な“アゲハ系”がどのようなものであるかについては、「キャバクラという名の揺り篭の中でヤンキーのエッセンスを吸収しつつ揺籃してきた“ギャルの進化形態の一種”」とするものなどがある。ライフスタイルとしての“アゲハ系”に着目するならば、傾向としての「地元志向」の色濃さが指摘されている。一般に日本のファッション雑誌の多くが東京中心主義的であるのとは対照的である。 『小悪魔ageha』の独自性は、その誌面の雰囲気からも推し量られる。すなわち、ホステスのライフスタイルないしは日常風景を取り上げるに際して、その魅惑的な様子のみを掻き集めて並べる、などといったことはせず、あくまで極力美化することなくそれを誌面に描き出すのである。さらには、やはりファッション雑誌であるからして、その内容の大半は基本的にはファッション関係の事柄なのであるが、この雑誌は時に「人間の心の中のヤミ(“闇”および“病”)」という深刻なテーマの取り扱いに着手することがある。それぞれの“暗黒面”を軽快に語るこの雑誌のモデルたちは、しばしば自身の日常あるいは過去の“まずい秘密事項”を誌面に露にする。例として、非行、家出、ひきこもり、いじめ、裏切り、失恋、心の病、トラウマ、自殺、劣等感、性的志向、孤独感、幼少期の虐待経験、家庭内暴力、そしてアルコール中毒についてのものなどが挙げられる。通常のファッション雑誌は終始明るいイメージであることから、これは非常に珍しい特色であるものと考えられている。 『小悪魔ageha』のモデルには一種のカリスマ的な人気を獲得し、マスメディアを通しての幅広い注目を集める者も多く見られる。そのごく初期の顕著な一例にあたるのが“ももえり”こと桃華絵里である。そして桃華がまさにそうであったように、自身のファッションブランドを立ち上げるモデルらもいる。「DIVAS」というブランドを立ち上げた純恋〔1987–2009〕は、その晩年にあってはモデル活動と併行しながら“DIVASデザイナー”をしばしば名乗った。『Rady』を立ち上げた武藤静香も顕著な例である。この武藤のブランド『Rady』は2008年に始動したもので、2011年の4月には月商が1億円に達している。
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