メンバーの逮捕とツアー中断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:41 UTC 版)
「TABOO (アルバム)」の記事における「メンバーの逮捕とツアー中断」の解説
今は、すこしづつ落ちついてきています。自宅で曲を作ったりしてのんびりすごしています。この事でツアーが中止になったりして色んな形で負担や迷惑をかけたことをおわびします。BUCK-TICKを応援してくれてる皆様へ、復活したときは、また楽しんでもらうのでよろしくお願いします。ライブ観れなかった人ごめん、かならずこの穴はうめます。 今井寿, 平成元年7月17日 本作を受けたコンサートツアーは、「TABOO TOUR」と題して1989年3月22日の立川市市民会館公演から4月20日の高知県立県民文化ホール公演まで、13都市全13公演が行われた。高知県立県民文化ホール公演終了後の4月21日に、羽田空港に到着した際にLSD使用による麻薬取締法違反容疑で今井は逮捕されることとなった。当日はライブビデオ『Sabbat I』および『Sabbat II』の発売日であり、当時は自主回収などの措置も取られなかったために逆に宣伝となり売上チャート1位を獲得することとなった。この件を受け、本来であれば5月31日に群馬音楽センターにて最終公演が行われる予定であった同ツアーは、残り19本の公演すべてが中止となった。また、今井以外のメンバーは全員半年間の活動自粛となった。 同年7月17日には今井からファンに向けてのメッセージが公表され、ビクター音楽産業の5階会議室にて急遽メンバーへのインタビューが行われた。今井が逮捕された当初、メンバーは同じく空港内にいたが罪状が分からず、警察側も公表しなかったため各自が自宅でニュース番組を通じて知ることになったという。当日のことをヤガミは著書『ヤガミ・トール自伝「1977」』にて述べており、空港に着いた際に黒服の人物が数名近づいてきた状態で何が起きたのかもわからず帰宅、テレビのニュース番組で全容を把握したがそのまま自宅待機となり、マスコミが家に押しかけてくるために外出もできない状態に陥ったという。ヤガミは自宅待機中に事件の影響で契約も切られ事務所からも解雇されると推測し、新宿ロフトからの再度の出発あるいはインディーズでの活動からのやり直しを覚悟したと述べている。また謹慎期間を受けて樋口は、「いや、焦るよりも、むしろこれでしばらく忙しくなくなる」、「ようやく自分たちの在り方みたいなものをゆっくり考えることができるな、って思いましたね」と述べたほか、ヤガミはそれまでに自分たちを客観的に見る余裕ががなかったと述べた上で「逆にあの事件がなくて、ずっとそのままのペースでいってたら、きっとそっちの方がバンドとしてヤバかったかもしれない」と述べている。今井には後に懲役6ケ月執行猶予3年という判決が下された。一部媒体では今井が薬物を乱用していたと報道されたが、これに対し櫻井は本人が否定も肯定もできない状態であることから一部報道に対して憤慨したと述べている。当初は今井以外の4人で「X-BEAT」というバンド名に改名して活動再開するという報道が一部週刊誌で出されたが、ヤガミは今井を除外するくらいであれば今井も含めてインディーズでの活動も検討していたと述べている。逮捕された当初、今井は「(自分が)捕まっても別に誰も騒がないんじゃないかな」と考えていたが、刑事から見せられた数々の週刊誌に記載された記事を読み、世間的に大騒ぎになっていることを自覚したと述べている。 LUNA SEA所属のJは当時ほぼ洋楽しか聴いていない状態であったが、事件が本作を聴く切っ掛けになったと述べている。今井の逮捕を知った翌日に学校へ行くと、同級生たちは「本物だよー!」と騒いでおり、BUCK-TICKを全く聴いていなかったパンク好きの先輩が「見たあ、今朝の新聞!? イカシてるよー」、「時代はBUCK-TICK!」など大騒ぎになっていたとも述べている。
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