ミッション・オブ・オポチュニティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 21:55 UTC 版)
「ディスカバリー計画」の記事における「ミッション・オブ・オポチュニティ」の解説
これは、科学機器またはそのハードウェア構成要素に資金を提供したり、既にある宇宙機に本来の目的とは異なる目的の延長ミッションを与えて再利用したりすることにより、非NASAミッションに参加する機会を提供するものである。その例として、M3、EPOXI、EPOCh、DIXI、NExT等が挙げられる。 月面鉱物マッピング装置(英語版) (Moon Mineralogy Mapper; M3) は、NASAが設計し、インド宇宙研究機関のチャンドラヤーン1号に搭載された機器。月の鉱物の組成を高解像度で探査するために設計された。2008年に打ち上げられ、ミッションが終了した1か月後の2009年9月に、M3が月の水を検出していたことが発表された。プリンシパル・インベスティゲーターは、ブラウン大学のカーリ・ピータース(英語版)博士。 EPOXI(Extrasolar Planet Observation and Deep Impact Extended Investigation; 太陽系外惑星の観測およびディープ・インパクトの延長調査; エポキシ)は、2007年に選定された。テンペル第1彗星での調査を無事に終えたディープ・インパクトを再利用した一連の2つの新しいミッション(EPOChとDIXI)の総称。EPOCh(Extrasolar Planet Observations and Characterization; 太陽系外惑星の観測と解析)は、ディープ・インパクトの高解像度カメラを使用して、他の恒星系の既知の巨大な太陽系外惑星をより詳しく解析したり、同じ星系内に他に未知の惑星がないかを探索したりした、2008年の系外惑星探査ミッション。プリンシパル・インベスティゲーターは、NASAゴダード宇宙飛行センターのL・ドレイク・デミング博士。 DIXI(Deep Impact eXtended Investigation; ディープ・インパクトの延長調査)は、ディープ・インパクト・ミッションの探査機を利用して、2つ目の彗星ハートレー第2彗星をフライバイしたミッション。ミッションの目標は、彗星の核の写真を撮影して、彗星の多様性についての理解を深めることであった。2010年11月4日に最接近したハートレー第2彗星のフライバイは成功した。プリンシパル・インベスティゲーターは、メリーランド大学のマイケル・アハーン博士。 NExT (New Exploration of Tempel 1) は、探査機スターダストを利用した新しいミッションで、2011年にテンペル第1彗星をフライバイし、ディープ・インパクトが2005年7月に同彗星を訪れたときからの変化を観測した。2005年後半に、テンペル第1彗星は太陽に最も接近し、彗星の表面が変化したとみられる。2011年2月15日にフライバイは無事に完了した。プリンシパル・インベスティゲーターは、コーネル大学のジョゼフ・ヴェヴェルカ(英語版)博士。 ASPERA-3は、太陽風と火星の大気の相互作用を調査するために設計された観測機器で、欧州宇宙機関 (ESA) のマーズ・エクスプレスに搭載されている。2003年6月に打ち上げられ、2003年12月以来、火星を周回している。プリンシパル・インベスティゲーターは、サウスウェスト研究所(英語版)のデヴィッド・ウィニンガム氏。 Strofioは、独特の質量分析装置で、SERENAの搭載機器パッケージの一部であり、欧州宇宙機関 (ESA) のベピ・コロンボ/水星表面探査機 (MPO) に搭載されて2016年度に打ち上げられる予定である。Strofioは、水星の大気を構成する原子および分子を調べて、水星表面の組成を明らかにすることが期待される。プリンシパル・インベスティゲーターは、サウスウェスト研究所のステファノ・リヴィ氏。
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