丸田螺
マルタニシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:26 UTC 版)
Bellamya (Cipangopaludina) chinensis laeta (von Martens,1860) 絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト) 独立種として記載され、Cipangopaludina 属のタイプ種でもあるが、その後中国産のシナタニシ B. chinensis chinensis (Griffith et Pidgeon, 1865)の亜種として扱われるようになった。殻高約4.5 - 6 cm。北海道から沖縄に分布。但し、沖縄に分布するものは史前帰化と言われているが、その他の地域の個体群も同様に帰化種である可能性がある。全体的に丸みを帯びることと、殻表に数列の点刻状彫刻があることなどで判別できるが、殻の外見ではオオタニシとの区別が容易でない個体もあり、メスであれば体内の胎貝の形態から、オスの成貝であれば解剖することでより確実に判別できる場合がある。オオタニシ同様に大型であるため、古来より食用にされてきた。乾燥に強く、農閑期の水田や干上がった溜池などでも泥に潜って耐えるが、極度の乾燥や水質の汚染、汚濁などには弱い。かつては水田などでよく見られたが、農薬の影響や冬季の圃場の掘り返しなどで20世紀後期頃からは急速に減少傾向にある。そのため2000年に準絶滅危惧種に指定された後、2012年には絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)に指定されている。その一方で、北米ではその学名から Chinese mystery snail などの名で呼ばれ、19世紀末頃にオオタニシとともに日本人が北米に持ち込んだとされるものが各地で大繁殖し、現地の湖沼の水草を大量に食害し、生態系を乱す事で問題になっている。北米では通常のガーデニングに水環境を組み合わせたウォーターガーデニング(en:Water garden)がよく行われるようになっており、その一要素(タンクメイト的な)としてホームセンターなどでタニシ類も売られることがあって、それが分布拡大を助長しているとも言われている。北米産の個体は日本のものより大型になる傾向がある。
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