マルグリット・デュラン図書館
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「マルグリット・デュラン」の記事における「マルグリット・デュラン図書館」の解説
晩年は女性や女性解放運動に関する著作物や資料の収集・整理に精力を注いだ。すでに『ラ・フロンド』紙上での呼びかけにより、寄稿者や読者から寄贈された資料はかなりの量になっていたため、これをパリ市に寄贈することにし、1931年にパリ市会が受け入れを決定。1932年、パリ13区にフランス初のフェミニスト資料館「マルグリット・デュラン図書館」が誕生した。現在、所蔵する資料には、17世紀以降のフェミニズム(女性解放史、女性解放運動家、フェミニズム論)、社会における女性の地位・役割、芸術、科学、スポーツなどの分野における女性の活躍等に関する著書45,000冊以上、18世紀以降の女性や女性解放運動に関する定期刊行物約1,100種類、『ラ・フロンド』紙と同紙に関する資料、女性作家、芸術家、学者、政治家(ジョルジュ・サンド、ルイーズ・コレ、ルイーズ・ミシェル、サラ・ベルナール、シドニー=ガブリエル・コレット、アレクサンドラ・ダヴィッド=ネール(フランス語版))などの書簡や手書き原稿約4,500部、多数の写真、ポスターなどが含まれる。このうち、定期刊行物には、(第一波フェミニズム)デジレ・ゲー(フランス語版)、ジャンヌ・ドロワン(フランス語版)らの『自由な女性(フランス語版)』紙、ウジェニー・ニボワイエが創刊した「1848年の女性たち」の新聞『女性の声(フランス語版)』、マリア・ドレームとレオン・リシェが創刊した『女性の権利(フランス語版)』紙、ユベルティーヌ・オークレールが創刊した『女性市民』紙、マドレーヌ・ペルティエが創刊した『サフラジェット』紙、デュランの『ラ・フロンド』紙、(第二波フェミニズム)『ル・トルション・ブリュル(フランス語版)』などの女性解放運動 (MLF) の機関紙、シモーヌ・ド・ボーヴォワールらが創刊した『フェミニズム問題(フランス語版)』と『新フェミニズム問題(フランス語版)』などが含まれる。 2016年10月、パリ市が「女性史・フェミニズム史図書館に関する野心的プロジェクト」を発表した。実際には、閲覧・来訪者の減少や効率の悪さなどを理由に、マルグリット・デュラン図書館を4区にあるパリ市歴史図書館(フランス語版) (BHVP) へ移転・統合する計画であり、「野心的」どころか、逆に閲覧や研究活動が制限されるおそれがあった。2017年、これに対して女性・フェミニスト研究者や団体、図書館連合組合やCGTなどが全国規模の抗議デモを行い、12月、パリ市は移転計画の撤回を余儀なくされた。
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