マルグリット・ド・カルージュの真実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 03:27 UTC 版)
「最後の決闘裁判」の記事における「マルグリット・ド・カルージュの真実」の解説
マルグリットはカルージュと結婚後に子供に恵まれなかったため、結婚生活はすぐに破綻する。カルージュは妻に愛情を注いでいると思っていたが、マルグリットから見ると粗暴な彼からは十分な愛情は感じられなかった。 カルージュはスコットランド遠征に向かう直前、マルグリットに「誰も屋敷に入れず、決して屋敷から出ないように」と忠告する。マルグリットは土地の経営に専念するが、次第に義母ニコルとの仲が険悪になっていく。スコットランドから帰国後、カルージュは「マルグリットを一人にしないように」と告げてパリに向かうが、ニコルは使用人たちを連れて外出し、マルグリットを一人にしてしまう。そんな中、ル・グリが屋敷に現れてマルグリットは強姦される。彼女の視点ではル・グリには愛情を感じておらず、必死の抵抗をするものの犯されたことになっている。マルグリットはカルージュに事実を伝えるが、「ル・グリを誘惑したのではないか」と疑われてしまう。誤解が解けた後、カルージュは「ル・グリを最後の男にはさせない」と告げてマルグリットと性行為に及ぶ。マルグリットはル・グリを訴えるが、ニコルは自分も過去に強姦されたことを語り、「世の中の習い」として受け入れて彼を訴えるのを止めるように告げる。 裁判では、マルグリットが事件発生後に妊娠6か月を迎えている点から、裁判官から厳しい尋問を受ける。裁判官から「決闘裁判でカルージュが負けた場合、偽証罪で生きたまま火あぶりにされる」と聞かされるが、彼女は「真実を語っている」と主張し続け、最終的にシャルル6世は決闘裁判を承認する。退廷後にマルグリットはカルージュに対して、火あぶりにされることを事前に伝えずに決闘裁判を直訴したこと、子供が路頭に迷うかも知れないことを問い詰める。カルージュは「君の名誉のために戦うのだ」と返答するが、マルグリットは「自分の名誉を守ることしか考えていない」と反論する。決闘裁判を数日後に控えた日、マルグリットは男児を出産する。 国王夫妻やピエール伯夫妻、拘束されたマルグリット、そして多くの群衆が見守る中でカルージュとル・グリの決闘裁判が開始される。決闘は馬上での戦いから始まり、馬を倒された後は徒歩での接近戦となる。戦いの末にカルージュはル・グリに止めを刺そうとするが、その直前に「自らの罪を告白しろ」とル・グリに迫るが、彼は「自分は無実である」と主張する。それを聞いたカルージュはル・グリを殺し、主張が受け入れられたマルグリットは拘束を解かれる。敗者となったル・グリの遺体が吊るされる中、カルージュは群衆から喝采を浴びながら決闘場を後にし、その後をマルグリットは無言でついていく。 数年後、カルージュは十字軍遠征で戦死し、マルグリットは夫の財産を守りながら平穏に暮らしたものの、生涯再婚しなかったことが語られる。
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