マハー・ムドラーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > マハー・ムドラーの意味・解説 

マハームドラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/07 14:37 UTC 版)

マハームドラー(梵語:mahāmudrā、チベット語:phyag rgya chen po、漢語:大印大印契)は、仏語であり、次の3つの意味がある[1]

  1. 密教三密加持の修行で曼荼羅の仏と一体になった状態[1]
  2. 後期密教のタントリズムにおいて、般若の智慧(prajñā)を生身の女性と同置し、その女性と性的にヨーガ英語版瑜伽、合一)することで成就・悟りを図るもの、またはその相手の女性[1][2]
  3. チベット仏教カギュ派の最奥義における、観想・教説・瞑想を越えて体得される自己の心性と森羅万象との契合という悟りの境地[1]

①のマハームドラーは、後期密教の『初会金剛頂経』のアーナンダガルバ英語版(ヨーガタントラの学匠、8–9世紀頃?)の註に説かれる四印(caturmudrā)説のマハームドラーである[1]。密教の三密加持とは、象徴的に表された仏の世界を人間の世界の外側に実在的にあるものとみなし、「象徴されるものと象徴それ自体は同一である」というヨーガ(瑜伽、神秘的合一)の論理に基づいて、修行者が手に(ムドラー)を組み(羯磨印 karmamudrā、身密)、真言(マントラ)を唱え(三昧耶印 samayamudrā、口密)、心に曼荼羅(マンダラ)の諸尊を観想すること(法印 dharmamudrā、意密)で、自己を仏の世界の一個の象徴、マハームドラーと化し、仏と同一化、即身成仏をはかるもの[1][3][2]。三密加持によって曼荼羅の仏と一体になった状態をマハームドラーと呼ぶ[1]

②インド後期密教のコンテクストの中で、仏教タントリズムの盛り上がりに伴い出現したもので、象徴的に表された仏の世界を人間の世界の外側に実在的にあるものとみなし、その仏の世界の女性原理 般若波羅蜜(仏母、悟りを生む智慧)を生身の女性に見立て、その女性と合一することで成就・悟りを目指す[2]

なお、チベット仏教ゲルク派の開祖ツォンカパは、生身の女性との性ヨーガを否定し、性的な修行は修行者の霊的な力で女性パートナーを顕現させ行うよう求め、現在のチベット仏教では性ヨーガはほとんど行われないという[4][5]

③チベット仏教カギュ派のマハームドラーの開祖はティローパ英語版とされる[1]

出典

参考文献

関連項目

  • マハームドラー (ハタ・ヨーガ)英語版

マハームドラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 06:14 UTC 版)

オウム真理教の修行」の記事における「マハームドラー」の解説

弟子にわざとやりたくないことをさせて、帰依を試す修行グル麻原への盲従正当化するために用いられた。林郁夫によると、村井秀夫は、地下鉄サリンをまく指示出した際に「これはマハームドラー(麻原のいう第一段階解脱)の修行なんだからね」と言い、それを聞いたは「サリンをまくことはヴァジラヤーナポア実践なのだ」と考え「この指示からは逃げられない、やらなくてはならない」と判断したという。

※この「マハームドラー」の解説は、「オウム真理教の修行」の解説の一部です。
「マハームドラー」を含む「オウム真理教の修行」の記事については、「オウム真理教の修行」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マハー・ムドラー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マハー・ムドラー」の関連用語

マハー・ムドラーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マハー・ムドラーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマハームドラー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのオウム真理教の修行 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS