マトゥラーナとバレーラによる定義とは? わかりやすく解説

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マトゥラーナとバレーラによる定義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 03:33 UTC 版)

オートポイエーシス」の記事における「マトゥラーナとバレーラによる定義」の解説

マトゥラーナとバレーラオートポイエーシスシステムを以下のように定義している。 オートポイエーシスシステムとは、以下のような構成要素生み出す構成要素生成 (変換破壊) の過程の、境界をもつネットワークとして組織される(ある統一的単位として定められる)。(1) [オートポイエーシスシステムは] それら [構成要素] の相互作用変換とを通じて、それら [構成要素] を生み出した過程 (関係) のネットワーク持続的に再生成実現する。 (2) [オートポイエーシスシステムは] 構成要素存在する空間内で具体的な実体としてそれ (システム) を構成するが、それは、このようなネットワークとしてその [システムの] 実現位相的 (topological) な領域指定することによってである。 — (Varela, 1979; Maturana and Varela, 1980 より訳出。 […]は引用注 ) ここでは、システムの構成要素作動過程最終的にその構成要素自体作り出す円環的な組織的特性指摘されているのと同時にそのことによってネットワーク自己そうでないものとの境界を自ら決定づけるのであるとされていることが特徴である。 円環構成という点において、オートポイエーシスシステムは、アロポイエーシス (allopoiesis, 異種産出の意) 的システム対比できる。 例えば、アロポイエーシス的システムである自動車工場では、自動車 (組織化され構造) を作り出すために部品 (構成要素) を用いるが、そこで作り出される物 (自動車) は、それを作り出した物 (工場) とは別である。 一方細胞では、核酸酵素代謝物のような様々な生化学的な構成要素からなり細胞内の組織化され構造作り上げているが、物質とエネルギー外部との交換基づいて作動しているこれらの構造は、その構造維持しつづけるようにその構成要素絶え生成または分解している。 このような観点を採るとき、システムにとっては自己維持のみがその機能であり、それ以上でも以下でもないとみなすことができる。 さらに、オートポイエーシス観点では、そうした過程全体円環的な構造によってある閉包領域操作的閉包 (operational closure) を作り出しており、それによってシステム環境とを自ら区別していると考える。 こうしたシステムによるシステム決定という観点は、オートポイエーシスという概念利用することが、そうしたシステム自律決定と、それを観測し記述することとの間をメタレベルで捉える視点要求し認識論的含意無視されざるものとしている。 このように自己言及的な組織構成着目したとき、システム外部やりとりされる物質エネルギーは、通常この操作的閉包をなしている組織構成そのものには介入しないものと見なせる。 もし、外部からシステム組織構成への何らかの介入がこの構成破壊した場合、それは単にシステム自体消滅意味するだけである。 マトゥラーナとバレーラは、オートポイエーシスシステムにおいて、外部との物質エネルギーやり取り組織構成決定するようなものではないということを、オートポイエーシスシステム入力出力持たない表現した。 これは、観測者システム環境との区別設けた上でそれらの入出力注目するような、一般的に理解されているシステムの概念とは全く異なるものである

※この「マトゥラーナとバレーラによる定義」の解説は、「オートポイエーシス」の解説の一部です。
「マトゥラーナとバレーラによる定義」を含む「オートポイエーシス」の記事については、「オートポイエーシス」の概要を参照ください。

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