ボードからコンピュータ本体への移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 03:05 UTC 版)
「クロメンコ」の記事における「ボードからコンピュータ本体への移行」の解説
クロメンコ社は、1976年8月に同社最初のコンピュータ・Z-1を発売した。Z-1は8キロバイトのSRAMを搭載し、IMSAI 8080と同じ筐体を使用していたが、IMSAIやAltairが使用したIntel 8080チップではなくZ80を使用していた。1977年6月に後継機のZ-2(英語版)を発売した。Z-2は64キロバイトのRAMを搭載し、CP/MライクのOSであるCromemco DOS(英語版)(CDOS)が実行できた。Z-2は、RS-232Cシリアルポートに加えてパラレルインターフェイスを追加し、Z-1ではあったフロントパネルのスイッチを廃した。 クロメンコ社はシステムを再パッケージ化してSystem Oneを製造し、その後、より大型のSystem TwoとSystem Threeを製造した。1978年に発表された System Threeは、FORTRAN IVとZ80 BASICの両方が実行できるようになっていた。System Threeはマルチユーザのプロ用に設計された。1979年、クロメンコ社はマイクロコンピュータ初のUNIX系OSであるCROMIXをリリースした。CROMIXは当初System Three上で動作し、後にMC68000ファミリを使用したCromemcoシステム上で動作するようになった。 クロメンコ社のS-100マイクロコンピュータ(Z-80プロセッサ使用)製品名発売年S-100スロット数フロッピードライブハードドライブOSZ-1 1976年 21 n/a n/a Z-2 1977年 21 n/a n/a CP/M System Zero 1980年 4 n/a n/a CP/M, Cromix System One CS-1 1981年 8 5インチ×2基 n/a CP/M, Cromemco DOS, Cromix System One CS-1H 1981年 8 5インチ×1基 5メガバイト CP/M, Cromemco DOS, Cromix System Two Z-2D 1978年 21 5インチ×2基 n/a CP/M, Cromemco DOS, Cromix System Two Z-2H 1980年 12 5インチ×2基 11メガバイト CP/M, Cromemco DOS, Cromix System Three 1978年 21 8インチ×4基 n/a CP/M, Cromemco DOS, Cromix 1982年、クロメンコ社は自社システムにMC68000を使用したCPUカードを導入した。これは、MC68000とZ-80(下位互換性のため)の両方を搭載したデュアルプロセッサカードで、DPUと称した。System One、Two、Threeはそれぞれ、100シリーズ、200シリーズ、300シリーズへと進化した。さらに、タワー型ケースの400シリーズが登場した。DPUに続いて、MC68000ファミリのプロセッサをベースにしたXPUカードとXXUカードが登場した。 クロメンコ社のS-100 CPUカード製品名発売年マイクロプロセッサクロックレートパフォーマンス(Whetstone)ZPU 1976年 Z-80A 2 MHz/4 MHz(選択可) 7,000 DPU 1982年 Z-80A/MC68000 4 MHz/8 MHz 40,000 XPU 1984年 Z-80B/MC68010 5 Mz/10 MHz 50,000 XXU 1986年 MC68020 with MC68881 16.7 MHz 1,050,000 1982年に、パーソナルコンピュータ・C-10を発表した。これは、ローエンド市場向けのZ-80、フロッピーディスクベースのシステムだった。このコンピュータはCDOSで動作し、表計算、ワードプロセッサ、BASICなどのいくつかのビジネスソフトウェアツールが付属していた。 1983年までにクロメンコ社は500人以上の従業員を雇用し、年商は5500万ドルだった。同社の株式は、ガーランドとメレンが完全所有していた。1987年に2人はダイナテック社に株式を売却し、カラーグラフィックス・ウェザー・システムズ(英語版)の一部門となった。クロメンコ社の欧州部門はクロメンコAGとして再編成されたが、2018年に清算された。
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