ベネヴェント公国と南イタリアのランゴバルド三侯国とは? わかりやすく解説

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ベネヴェント公国と南イタリアのランゴバルド三侯国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:57 UTC 版)

中世ヨーロッパにおける教会と国家」の記事における「ベネヴェント公国と南イタリアのランゴバルド三侯国」の解説

前節述べたように、クレフ王の死後の10年間、ランゴバルド諸公一種合議政体をもって王国運営しこの間地方割拠する諸公の力は強まった。特にイタリア中部スポレート公国南イタリアベネヴェント公国ラヴェンナローマ枢軸維持するビザンツ帝国によって、北イタリアランゴバルド王国中央から隔てられているために、自立性高かった初代ベネヴェント公ゾットーの跡を継いだアリキス1世ビザンツ帝国カラブリア沿岸都市以外の南イタリアをほぼ制圧し広大な領土支配するようになった。第5代のグリモアルドゥス1世ランゴバルド王国起きた王位継承を巡る争い乗じてランゴバルド王位獲得しランゴバルド王とベネヴェント公をかねてランゴバルド人統一した。しかし彼の死後2人の息子ランゴバルド王位ベネヴェント公位を分割して保持することになり、再び両国分かたれた。ベネヴェント公位を継いだロムアルドゥスは弟のガリバルドゥスにランゴバルド王位譲ったのである。まだ幼かったガリバルドゥスは即位1年王位をペルクタリトゥスに奪われランゴバルド人統一失われたその後北のランゴバルド王国では短期間での王位変転が続くが、712年にリウトプランドが王位につくと、ビザンツ帝国側の内紛利用して領土拡大したビザンツ皇帝レオン3世イコノクラスム開始すると、教皇グレゴリウス2世はこれに反発して皇帝対立し折しもイスラーム教徒戦争重税苦しんでいた多数イタリア都市帝国支配反抗した。この防備弱体化をついてリウトプランドはビザンツ領へ侵攻し730年ごろにはラヴェンナ奪取したビザンツ帝国教皇グレゴリウス3世の登位後、ヴェネツィア協力得て734年にこれを奪還した。リウトプランドはカール・マルテル同盟してムスリムとも戦い725年ごろにはムスリム支配下コルシカ島従属させた。710年から730年の間にはサルディニア島にあったアウグスティヌス遺骸パヴィア運ばれサン・ピエトロ大聖堂 (en:San Pietro in Ciel d'Oro) に納められた。またリウトプランドの治世に、ロターリ法典新たに153章の法文付けくわえられたが、これらの中には女性貧者抑圧抗する一定の権利認めるものが含まれている。リウトプランドの後はまた短命な王が続くが、749年即位したアイストゥルフ精力的で、751年ラヴェンナ制圧しイタリア半島をほぼ統一した。しかし754年757年2度教皇ステファヌス2世懇請受けてピピン3世イタリア侵入すると、これらの征服地は奪回された。アイストゥルフ次代の王デシデリウスカール大帝の弟カールマン結んでフランク王国政治介入しようとし、また教皇領攻撃して領土拡大目指したが、逆に773年カール大帝イタリア遠征招き、翌774年には首都パヴィア陥落しデシデリウス廃されカール大帝が自らランゴバルド王を兼ねるに至ってランゴバルド王国実質的に滅亡した他方、ロムアルドゥスの後継者たち支配した南のベネヴェント公国は、774年ランゴバルド王国滅亡傍観しながら生き残り8世紀後半にはランゴバルド王国正統自認してベネヴェント侯国名乗るうになる侯国地方統治はガスタルディウス (gastaldius) という地方役人担っていたが、彼らは徐々に侯から独立するようになり、ベネヴェント侯国分権化し始めた839年に第5代ベネヴェント侯シカルドゥスが暗殺された後、侯位を巡って争い起こり849年にはサレルノ侯国イタリア語版英語版)が分かれた。このサレルノ侯国有力者カープア伯は861年自立してカープア伯領を形成するが、900年カープア伯アテヌルフス1世イタリア語版英語版)がベネヴェント侯に即位してカープア・ベネヴェント侯国イタリア語版英語版)が成立した。この統一侯国982年まで続くが、その後ベネヴェント侯国カープア侯国イタリア語版英語版)に分かれた。こうしてランゴバルド三侯国が成立した

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