プロ格闘技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/18 01:41 UTC 版)
プロでは、3人のジャッジが試合終了後に判定結果を下し、2人以上の支持を得た方が勝者となるのが一般的である。採点結果がリングアナウンサーに手渡され、それを読み上げて勝敗を発表する。偶然のバッティングなどのアクシデントで試合続行不可能となった場合、規定のラウンドを経過していれば判定に入ることもあり、これを負傷判定(テクニカル・デシジョン)と呼ぶ。 最も広く採用されているのは10点満点の減点方式(テンポイント・マスト・システム)である。ジャッジは各ラウンドごとに採点を行った上でこれらの合計が多い方を支持する。ダウンがあれば減点され、それがない場合は相手へのダメージ、クリーンヒット、アグレッシブ度で優劣を判断の上で差が付けられる。双方がダウンしても9-8などにせずどちらか一方に必ず10点を付ける。反則による減点はラウンドではなく試合全体の合計点より執行され、規定体重超過など試合前の契約違反があればあらかじめ減点された状態で試合を行う場合もある。互角の場合は10-10となるが、WBAなどの場合、各ラウンドごとにできる限りポイント差を付ける事が求められ(あくまで奨励)、これをラウンド・マスト・システムと呼ぶ。ただし、団体によってはハーフ・ポイント・システム(0.5ポイント刻み)を採用する場合もある。ハーフポイントでは最終的なポイント差が0.5の場合ドロー判定となる。また、WBCやK-1では決まったラウンドごとに途中経過を公開する公開採点制度(オープン・スコアリング・システム)を採用している。トーナメント戦など決着を付けなければならない試合では、ドロー判定を出したジャッジが改めて優劣を出すか、ラウンド・マスト・システムの延長戦(ハーフポイントの場合、ポイント差0.5でも決着)を行う。 総合格闘技では、全体の試合展開から判断して必ず優劣をつけるマスト・システムが広く採用されている。 英語では判定結果により以下の呼称が用いられる。 ユナニマス・デシジョン(Unanimous Decision, UD) 3人のジャッジが一方の選手を支持した場合(3-0) マジョリティ・デシジョン(Majority Decision, MD) 2人のジャッジが一方の選手を支持し、もう1人が引き分けであった場合(2-0) スプリット・デシジョン(Split Decision, SD) 2人のジャッジが一方の選手を支持し、もう1人のジャッジがもう一方の選手を支持した場合(2-1) なお、グラップリングやブラジリアン柔術、立ち技のシュートボクシングはアマチュアのようにポイントを加算する方式を採用している。 また、プロレスでは試合後の判定はなく、時間切れとなった場合は引き分けとしているが、1970年代までは他のプロ格闘技同様の判定で勝敗を決めた試合も存在した。一方、UWFルールの場合、持ち点制を採用しており、時間切れとなった時点で持ち点が多いほうを勝利としていた。
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