プロノイア制とは? わかりやすく解説

プロノイア

(プロノイア制 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/02 17:47 UTC 版)

プロノイア: πρόνοια pronoia)は、東ローマ帝国によって、国家への奉仕と引き換えに認められた土地所有権、徴税権のことを指す。11世紀後半以降、プロノイアを得た貴族がその代償として軍事奉仕を果たしたとされる。この点で、イスラム世界におけるイクターと類似する性格を有する。「プロノイア」は、語源としては「予想」「配慮」を意味する。中世ギリシア語発音では「プロニャ」。


  1. ^ James Egan, Your Teeth Can Explode (And Other Disorder Facts), 152
  2. ^ リチャード・ニュージェント「どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50」(20 ポジティブさが自信をつくる)


「プロノイア」の続きの解説一覧

プロノイア制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:15 UTC 版)

東ローマ帝国」の記事における「プロノイア制」の解説

詳細は「プロノイア」を参照 コムネノス朝時代にはプロノイア制が実施された。かつては貴族大土地所有や徴税認め代わりに軍務提供させる制度であると考えられ、これが西欧レーエン制に擬され、ゲオルク・オストロゴルスキーなどが主張したいわゆる「ビザンツ封建制」の要素考えられていたが、今日ではこの説は基本的に否定されている。プロノイア国家功績のあった臣下恩賜として基本的に一代限り授与されるものであり、またプロノイア設定され地域をその受領者実際に統治したかどうか明確でない。したがって荘園のように囲い込まれ不輸不入領主権設定されわけではないニカイア帝国ではプロノイア限定され地域限られていて、ヨハネス3世プロノイア土地国家管理下にあるものとして、売買固く禁じている。ミカエル8世プロノイア世襲大規模に認めているが、これは例外措置であり世襲財産同一視することを厳しく注意している。とはいえ、これらの事実逆にプロノイア帝国意図反して売買されたり世襲されたりすることがあったという証明であるともいえる。 軍制との関連性明確でない軍事奉仕暗示するようなプロノイア贈与おこなわれなかったわけではない一般的ではない。プロノイア自体は必ずしも土地結びつくわけではなく漁業権であった貧困農民層であるパリコスの労働使役だったりするが、パリコスは法的には完全な自由民であったプロノイア女性教会や一団の兵士などの団体贈与されることもあった。そのためプロノイア税収一部賜与したものとする見方もある。また、コムネノス朝時代プロノイアは非常に限定的従来テマ制度と代替可能なほど徹底されてはいない。そのためテマ制の崩壊とプロノイア制出現因果関係は明確ではない。 自由農民層による軍隊編成試みられなかったわけではないが、帝国末期まで傭兵軍事力頼っていることを考慮すると、プロノイア制度が国家防衛果たした役割それほど大きいものではないと判断できよう。むしろビザンツ封建制があったとしてそれを用意するものがあるとすれば、旧ラテン帝国封建諸侯である。彼らはビザンツ貴族とは別個に服従契約を結び、それは西欧封建制影響を受けたものであった末期顕著となる皇族への領土分配デスポテースという地位西欧封建制との関係で論じられるべきであろう

※この「プロノイア制」の解説は、「東ローマ帝国」の解説の一部です。
「プロノイア制」を含む「東ローマ帝国」の記事については、「東ローマ帝国」の概要を参照ください。

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