プロセス概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/20 01:45 UTC 版)
レクチゾールプロセスはリンデ(Linde AG)およびルルギ(Lurgi AG)(英語版)が実施権をもち、冷メタノールを用いておよそ-40 °F (-40 ℃)、比較的高い圧力で、これは通常400から1000 psia (2.76 から 6.89 MPa)である、酸性ガスを供給ガスから吸収する。酸性ガスを含むリッチな吸収液は、その後酸性ガスを放散、回収するために圧力をさげる。レクチゾールプロセスは硫化水素や二酸化炭素を選択的に分離回収する運転をすることができる。そのため硫化水素は硫黄回収装置にて硫黄元素を回収したり、硫化水素を燃焼させ二酸化硫黄にして硫酸を製造することができる。一方同時に二酸化炭素が分離可能となり、分離された二酸化炭素を油田に戻せるケースでは生産用の油井近くの注入井に圧入し、原油の強制回収に用いられる。 レクチゾール(Rectisol)はセレクソール(Selexol)(英語版)やプリソール(Purisol)と同様に物理吸収液であり、酸性ガスとの化学反応によるアミンによる酸性ガスを除去する(英語版)吸収液とは異なる。吸収液としてのメタノールは、専売のセレクソール(Selexol)やプリソール(Purisol) 吸収液と比較して安価である。レクチゾールプロセスは低い温度を維持するためにより多くの電気的エネルギーを必要とする。しかし、再生に必要な蒸気エネルギーは少ない。メタノール吸収(レクチゾール(Rectisol))装置の建設費は専売吸収液装置よりも高いが、冷物理吸収液としてのメタノールは酸性ガス成分を高効率で除去するができ、より高い純度のガスを精製できる。 レクチゾールプロセスは自由度が高く、ガスから要求される最終的な生成物に応じて、合成ガスをどのような成分に分離するかにより設計することができる。このプロセスは、例えば、水素、一酸化炭素、アンモニア、メタノール合成ガスと燃料ガスような、さまざまな生成物を必要する複雑な構成に適している。
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