フェズ帽とは? わかりやすく解説

フェズ (帽子)

(フェズ帽 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 17:21 UTC 版)

フェズ

フェズトルコ語: fes)は、頭頂部から房の垂れ下がった、つばのない円筒形の帽子。色はえんじ色であることが多い。「フェズ」という名前はモロッコの都市フェズにちなむ。日本ではトルコ帽と呼ばれることが多く、またエジプトなどではタルブーシュアラビア語: طربوش‎)と呼ばれる。19世紀から20世紀初頭にかけてオスマン帝国とその周辺地域で流行した。1925年のトルコ革命以降、フェズはトルコ人男性の衣服の一部ではない。

歴史

もともとは現在のモロッコの辺りで用いられていた帽子だったが、オスマン帝国がマフムト2世の近代化改革によって文官・武官共に洋装を取り入れることになった際に、従来ムスリム(イスラム教徒)が頭に巻いていたターバンに代わるものとして導入された。このような経緯からオスマン帝国においてフェズは近代化のシンボル的存在として親しまれ、ムスリムだけではなくキリスト教徒ユダヤ教徒の間でもフェズを着用することが多くなった。19世紀末ごろのオスマン帝国では、フェズにフロックコートという洋風のスタイルは「ハイカラさん」の代名詞でもあった。

しかし、トルコ革命によってオスマン帝国が倒れ、さらなる近代化を国是とするトルコ共和国が成立すると、かつて近代化のシンボル的存在であったフェズは皮肉にも旧体制のシンボル視されるようになり、大統領となったムスタファ・ケマル・パシャによって1925年、フェズの着用は禁止された。この大統領による禁止令は逮捕などの措置も含む強制力の強いものであったため、今日のトルコでは土産物等を除いてフェズは絶滅状態にある。また政教分離の理由からトルコ共和国では公務員はフェズ帽の着用は法令で禁止されている。一方、トルコで禁止された後もシリアエジプトボスニアといったトルコ以外の旧オスマン帝国地域ではフェズは着用されていたが、時代とともに服装が多様化するにつれて廃れ、やはり現在ではほとんど姿を見ることはなくなっている。

発祥の地であるモロッコでは今日でも伝統的な民族衣装として残っているものの、日常において一般的に着用されることは少ないようである。

チュニジア共和国ではフエルトを原料に使用したフェズが存在しシェシーア(شاشية)と呼ばれている。

似たような形状のものに、マレーシアインドネシアのムスリムが被るソンコック(Peciとも呼ばれる)がある。

画像

関連項目


フェズ帽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:00 UTC 版)

制服 (ナチス親衛隊)」の記事における「フェズ帽」の解説

フェズとは中東伝統的帽子ムスリム兵士が多い第13SS武装山岳師団第23SS武装山岳師団でのみ着用許されていた。鷲章トーテンコップ入っていた。兵士下士官モス・グリーン将校は赤いフェズ帽をかぶった。また赤いフェズ帽は礼装用でもあった。 第13SS武装山岳師団のフェズ帽(左)。下に赤いフェズ帽 赤いフェズ帽 フェズ帽を被る第13SS武装山岳師団兵士たち フェズ帽をかぶる第13SS武装山岳師団兵士たち フェズ帽をかぶる第13SS武装山岳師団兵士たち 第13SS武装山岳師団閲兵するエルサレム大ムフティーアミーン・フサイニー

※この「フェズ帽」の解説は、「制服 (ナチス親衛隊)」の解説の一部です。
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