フィッシャー方程式とは? わかりやすく解説

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フィッシャー方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/01 04:57 UTC 版)

フィッシャー方程式(フィッシャーほうていしき、: Fisher equation)とは、アメリカ合衆国の経済学者アーヴィング・フィッシャーが提唱した、名目金利実質金利インフレ率(物価上昇率)の間の関係式で、名目金利 = 実質金利 + インフレ率 と表される。金利とインフレ率の期間は合わせる必要があるため、これからの契約に対してはインフレ率が確定していないので未来の分の期待インフレ率となり、名目金利 = 実質金利 + 期待インフレ率 となる。[1][2][3]


  1. ^ a b c Cooper, Russell and John, A. Andrew. Theory and Applications of Macroeconomics. Creative Commons. https://2012books.lardbucket.org/books/theory-and-applications-of-macroeconomics/s20-14-the-fisher-equation-nominal-an.html 2021年4月4日閲覧。 
  2. ^ a b Fisher, Irving (1907). The Rate of Interest. Mansfield Centre, CT: Martino Publishing (2009); MacMillan (1907). p. Cover. ISBN 9781578987450 
  3. ^ フィッシャー方程式(ふぃっしゃーほうていしき)- 野村證券”. 2022年4月12日閲覧。
  4. ^ a b c 野口旭 『「経済のしくみ」がすんなりわかる講座』 ナツメ社、2003年、144頁。
  5. ^ 中谷巌 『痛快!経済学』 集英社〈集英社文庫〉、2002年、100頁。
  6. ^ ようやく世界標準の政策を採った日本銀行 量的緩和は物価・景気にこうやって効くダイヤモンド・オンライン 2010年11月11日
  7. ^ 高橋洋一「ニュースの深層」 純白の政策委員会が真っ黒に!? 黒田日銀の「オセロゲーム」に見る専門家とサラリーマンの違い 現代ビジネス 2013年4月8日
  8. ^ フィッシャー方程式で算出された期待インフレ率が引き上げられた分だけ名目金利が上がることをフィッシャー効果と呼ぶ。
  9. ^ Neely. “The Name Is Bond—Indexed Bond”. Federal Reserve Bank of St. Louis. 2021年4月5日閲覧。
  10. ^ Hanke, Steve H. (1981). “Project evaluation during inflation, revisited: A solution to Turvey's relative price change problem”. Water Resources Research 17 (6): 1737–1738. Bibcode1981WRR....17.1737H. doi:10.1029/WR017i006p01737. 


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フィッシャー方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:07 UTC 版)

実質金利」の記事における「フィッシャー方程式」の解説

まず、過去~現在(ex-ante, 事前)に起きた現象は以下の関係性成立する事前実質金利事前名目金利事前インフレ率 例えば、1年前に自分100万円の商品購入する際の代金銀行から名目金利5%で借りその後1年間物価の変動インフレ率)が4%だったとする借金を現在返済する105万円支払必要があるが、100万円だった商品価値物価の変動に伴い104万円となっているため、実質的に差し引き1万円つまり1%支払いですむ。上記の式で言えば 1% = 5% - 4% となる。 そして、この関係性を現在~未来(ex-post, 事後)に置き換えると以下の式になる。この学問分野大きく貢献したのは、アメリカの経済学者であるアーヴィング・フィッシャーであり、この方程式はフィッシャー方程式と呼ばれる期待インフレ率(英: expected inflation rate)は予想インフレ率とも和訳される。金利とは未来支払利子に対してつくものなので、同じようインフレ率未来インフレ率使用する必要があり、そのため過去インフレ率では無く期待インフレ率使用する実質金利名目金利期待インフレ率 期待インフレ率プラスであれば実質金利名目金利より低くなる逆にデフレ期待が高まる(物価下落する予想される=期待インフレ率がマイナスとなる)と、実質金利高くなるデフレにおいては通常中央銀行による金融緩和が行われて、政策金利引き下げられるが、もし名目金利を0%以下に下げることが出来ないならば(マイナス金利不可能であるならば)、実質金利は高い状態にあるため、借金ができず消費投資停滞してしまう現象見られるいわゆる流動性の罠)。 実質金利下げるには、下記2つ片方もしくは両方を行う必要がある名目金利下げ期待インフレ率上げる もし名目金利が現在0%にあり、名目金利を0%未満出来ないならば、実質金利下げるには上記の式に従うならばインフレ期待醸成し期待インフレ率上げ必要があるマネタリズムは、名目金利景気判断材料にするより、貨幣供給増加率安定的に保持し予想実質金利自動調整機能利用して景気安定化図った方が、結果的に景気変動をならすことができるとしている。通貨量を増やすことによりインフレ率高められるため、公開市場操作通じて資金供給オペレーション行いインフレ率コントロールしようとする。 名目金利を0%未満しにくいのは、紙幣硬貨名目金利が0%であり、それらが邪魔をするからである。しかし、現実には、日本含めいくつかの国で、名目金利を0%未満にするマイナス金利政策開始された。 人々利益費用名目的な貨幣の価値名目値ではなく貨幣でどれだけモノ買えるかという実質実質値)で考える。企業は、在庫投資設備投資を行うかを決め場合名目金利ではなく実質金利参考にする経済学者飯田泰之は「企業個人も含む)は実質金利という言葉知らなくても、実質金利考慮して投資額を決定している」と指摘している。

※この「フィッシャー方程式」の解説は、「実質金利」の解説の一部です。
「フィッシャー方程式」を含む「実質金利」の記事については、「実質金利」の概要を参照ください。

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