ビバンダム(ミシュランマン)について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 08:23 UTC 版)
「ミシュラン」の記事における「ビバンダム(ミシュランマン)について」の解説
マスコットのビバンダム(Bibendum)は世界で最も古いトレードマークの一つとして有名である。通称「ビブ」。ムッシュ・ビバンダムともいう。日本語サイトでは「ミシュランマン」とも。お化けのような格好は実は彼自身がタイヤでできているためであり、昔は車のタイヤがパンクした現場で身の一部を供しているという、イラストが使われた広告もあった。彼の体の「タイヤ」の幅も昔に比べ広くなっているのは、時代とともにタイヤの幅が広くなったことに由来するとされる。また昔はモンスターのような恐ろしい外見だったが時代とともに変化し、最近は愛嬌のあるデザインになっている。 ビバンダムの姿は高く積まれたタイヤをモチーフとしている。1864年にミシュラン兄弟の「これに手足を付けたらタイヤ人間になるだろう」というユーモアから生まれたが、当時は名前がなかった。1898年にNunc est bibendum(ヌンク・エスト・ビベンドゥム、ラテン語で「いざ飲まん」の意)というキャッチコピーが入った広告に描かれ、数か月後にティエリーというレーシングドライバーがアンドレ・ミシュランを見かけた際に「おや?ビバンダムじゃないか」と声をかけたことが、このキャラクターの名前の由来となった。 このポスターの構図は、もとはビール醸造所の看板のために考えられたものであった。惹句はホラティウスの『詩集』から取られたもので、ここでは乾杯の文句として用いられている。グラスに注がれたガラス片や釘を見てもわかるように、障害物を「呑み込む」つまりパンクに強いタイヤということをうたったものである。 彼の体の色が白い理由について、ミシュランの公式サイトには「当時高級品であったタイヤは一つ一つ白い布や紙で包まれていたからだと言われています」との記載がある。また、1988年にミシュランが買収したBFグッドリッチのタイヤ製造部門が1912年にカーボンブラックを補強材としてタイヤに使用するまでは、生ゴムの色や補強剤や増量剤として使用されていた塩基性炭酸マグネシウムや炭酸カルシウムの色によるものである白色や飴色が多かった。前述の身の一部を供している広告でもパンクした車のタイヤを含め白いことが確認できる。 ビバンダムの容姿から名前が付けられた「ミシュランタイヤ症候群」という疾患が存在する。常染色体優性遺伝の疾患で腕や体などの皮膚にリング状の溝ができ、折り目が付いてしまうのが特徴である。
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