ヒトの摂取
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 01:01 UTC 版)
主にクエン酸回路によるエネルギー生産を謳い、各種サプリメントの成分として多用されている。しかし、5km走での実験から、運動成績を有意に向上させることが報告されたが、その後否定されている。このほか、高強度運動や600m走でも運動成績には影響がないことが示されている。 他にも、クエン酸回路において間接的に筋肉内の乳酸を分解する点からかつては運動後の疲労軽減効果作用も言及されていたものの、乳酸疲労物質説は今日では否定されており、売り文句としてはあまり有為ではない。 ただし、クエン酸自体は疲労物質の一つとされるカルシウムともキレート錯体を構成するため、このカルシウムとの結合が乳酸分解におけるアシドーシス低下とのトレードオフにおいて汎的に有位であるならば、疲労軽減に若干は効果が認められる事となる。 同様に、鉄を中心としたミネラルイオンともキレート錯体を構成して吸収性を高めることから、運動成績向上機能ではなく、栄養機能的側面から見れば、運動後におけるクエン酸の摂取は、決して無駄とは言い難い。また、運動後はブドウ糖を単体でとるよりも、クエン酸を加えた方が、グリコーゲンを多く貯蔵できるとの説も存在する。 日本薬局方収載品であり、ドラッグストアでも第三類医薬品として市販されている。クエン酸の塩はカルシウムイオンとキレート結合するので、かつては検査用血液サンプルの抗凝固薬などとしても利用された。現在でも成分献血時にクエン酸ナトリウムとともに抗凝固薬として使用される。 クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム合剤(商品名ウラリット®配合錠)は、体液成分のアニオン性電解質の増大にともない利尿作用を励起し尿酸の排泄を促進することから、痛風に代表される高尿酸血症の治療薬として処方されるとともに尿路結石や代謝性アシドーシスの治療にも使用される。オルニチン同様、肝機能低下による疲労臭に対する低減効果も流布されているが、真偽を別とし、この場合はまず肝機能低下の原因を、専門医の診断のもと特定した上で適切に摂取すべきである。 食品添加物でもあり、清涼飲料水や炭酸水を始め、各種の加工食品に添加される。
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