ヒトの曝露
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 04:38 UTC 版)
シペルメトリンは、皮膚接触や経口摂取によって中程度の毒性を持ち、皮膚や目に対する刺激性がある。皮膚曝露の症状には、しびれ、チクチク感、かゆみ、火傷感、膀胱の制御不能、失調、発作、また死亡の可能性がある。ピレスロイドは中枢神経系に悪影響を及ぼす可能性がある。ボランティアの被験者が耳たぶに130 μg/cm2を曝露したところ、局所的なチクチク感や火傷感を経験した。ある男性は、10%濃度のシペルメトリンを含む油を誤って調理油として使用し、食事後に死亡した。食事の直後に、吐き気、長い嘔吐、胃痛及び下痢が襲い、その後痙攣、意識喪失から昏睡へと進行した。他の家族は症状が軽く、病院での治療を経て生き延びた。アレルギー性皮膚反応を引き起こす可能性がある。過剰な曝露は、吐き気、頭痛、筋力低下、唾液分泌過多、息切れ、発作を引き起こす。体内では酵素による加水分解でいくつかのカルボン酸代謝物に分解されて不活性化され、尿中へ排出される。作業者への曝露は尿中代謝物の測定によってモニタリングを行うことができるが、重篤な過剰曝露は血中や血漿中量の定量によって確認される。
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