エストラゴールとは? わかりやすく解説

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エストラゴール

分子式C10H12O
その他の名称エストラゴール、カビコールメチルエーテルEstragole、Chavicol methyl ether、1-Methoxy-4-(2-propenyl)benzene、エスドラゴール、エスドラゴン、O-Methylchavicol、NCI-C-60946、Isoanethole、Esdragon、Esdragol、イソアネトール、O-メチルカビコール、p-Methoxyallylbenzene、p-メトキシアリルベンゼン、4-Allyl-1-methoxybenzene、4-アリルアニソール、4-Allylanisole、Estragol、メチルカビコール、1-(4-Methoxyphenyl)-2-propene、1-Allyl-4-methoxybenzene、1-Methoxy-4-allylbenzene、Methylchavicol、4-(2-Propenyl)anisole、4-Methoxy-1-allylbenzene、p-Allylanisole
体系名:1-アリル-4-メトキシベンゼン、3-(4-メトキシフェニル)-1-プロペン、4-メトキシ-1-アリルベンゼン、1-(2-プロペニル)-4-メトキシベンゼン、p-アリルアニソール、1-メトキシ-4-アリルベンゼン、4-アリル-1-メトキシベンゼン、1-メトキシ-4-(2-プロペニル)ベンゼン、1-(4-メトキシフェニル)-2-プロペン、4-(2-プロペニル)アニソール


エストラゴール

名称エストラゴール
英名estragole
別名p-アリルアニソール,カビコールメチルエーテル,1-メトキシ-4-(2-プロペニル)ベンゼン
化学式C10H12O
香りアニス
状態l (無色)
融点
沸点216108~114(25mmHg),102(16mmHg)
比重0.9645(d21/4)
性質アルコールクロロホルムエタノール可溶
用途アネトール原料, 酒,酢などの香料
有機性200
無機37
分子データ
» 「動く分子事典」の分子モデル表示の特性について、「生活環境化学の部屋」より補足説明をいただいております。

エストラゴール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/07 07:09 UTC 版)

エストラゴール
識別情報
CAS登録番号 140-67-0 
ChemSpider 13850247 
UNII 9NIW07V3ET 
KEGG C10452 
ChEMBL CHEMBL470671 
特性
化学式 C10H12O
モル質量 148.20 g/mol
密度 0.946 g/cm3
沸点

216 °C, 489 K, 421 °F ((95-96 °C at 12 mmHg))

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

エストラゴール(Estragole)は、フェニルプロペンの一種で天然に存在する有機化合物である。p-アリルアニソール(p-allylanisole)、メチルカビコール(Methyl chavicol)とも呼ぶ。メトキシ基とプロペニル基で置換されたベンゼン環の構造を持つ。アネトールとは、二重結合の位置が異なる異性体である。無色の液体であるが、不純物を含むサンプルは黄色を呈する。テレピン油アニスフェンネルローリエタラゴンバジル等の様々な植物に含まれ、香料の製造に用いられる[1]

製造

バジルの水蒸気蒸留により、毎年数百トンのバジル油が製造されている。この油の主成分はエストラゴールであるが、かなりの量のリナロールも含まれる。タラゴンの精油にもエストラゴールは60-75%含まれる。また、松根油、テレピン油、フェンネル、アニス(2%[2])等にも存在する。

エストラゴールは、香水や香料に用いられる。水酸化カリウムで処理すると、アネトールに変換される[1]。またエストラゴールはマグノロールの合成に用いられる。

安全性

欧州医薬品庁のハーブ薬委員会(HMPC)によると、エストラゴールには発癌性遺伝毒性があると考えられている[3]。いくつかの研究では、代謝、代謝活性、共有結合のプロファイルは量に依存し、曝露レベルが減少すると相対的な重要性が著しく減少する(つまり、これらは量との間で線形にならない)ことが明確に示されている。特に、ネズミの実験は、これらの事象が、この物質に対し予想されるヒトの曝露の約100-1000倍に当たる、体重1kgあたり1-10mgの用量範囲において最小であることを示している。これらの理由から、通常のハーブ薬の摂取(薬量学の推奨による成人の短期間の使用)によるエストラゴールの曝露では、大きな癌リスクは認められないと結論付けられている。幼児、妊婦、授乳中の女性等の感受性の高いグループのエストラゴールへの曝露は、最小限に留めるべきである。欧州委員会の健康及び消費者保護総合理事会の食品科学委員会は、より憂慮を示す立ち位置を取り、「エストラゴールには遺伝毒性と発癌性が示されている。閾値の存在は想定されておらず、委員会は安全な曝露基準を確立できない。従って、曝露の削減と使用レベルの制限が指示される」と結論付けている[4]

関連項目

出典

  1. ^ a b Karl-Georg Fahlbusch, Franz-Josef Hammerschmidt, Johannes Panten, Wilhelm Pickenhagen, Dietmar Schatkowski, Kurt Bauer, Dorothea Garbe, Horst Surburg "Flavors and Fragrances" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim: 2002. Published online: 15 January 2003; doi:10.1002/14356007.a11_141.
  2. ^ Philip R. Ashurst (1999). chavicol Food Flavorings. Springer. p. 11. https://books.google.com/books?id=hrWuqmtwJiEC&pg=PA18&dq=methyl chavicol 
  3. ^ EMEA/HMPC/137212/2005, Committee on Herbal Medicinal Products. Final Public Statement on the Use of Herbal Medicinal Products Containing Estragole http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2010/04/WC500089960.pdf
  4. ^ SCF/CS/FLAV/FLAVOUR/6, 26 September 2001, Opinion of the Scientific Committee on Food on Estragole (1-Allyl-4-methoxybenzene)Archived copy”. 2007年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月16日閲覧。

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