ヒジャブ着用問題
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「2014年アジア競技大会におけるバスケットボール競技」の記事における「ヒジャブ着用問題」の解説
2014年9月24日、2014年アジア競技大会の女子バスケットボールで、イスラム教徒の女性が髪などを覆うヒジャブの着用を禁じられたため、カタール代表が試合を放棄した。モンゴルとの試合直前になって大会関係者から禁止を伝えられたという。大会の公式情報ページで、アマル・モハメド選手は「大会前は着用可能と聞いていた。禁止の理由が分からない。大会側が決定を変えるまで試合には出ない」と述べた。試合は規定により20-0でモンゴルの勝利となった。 大会組織委員会の広報担当者は「組織委としては着用をOKしたはず。問題を調査しているが、国際バスケットボール連盟のルールに抵触するようだ」と話した。国際バスケットボール連盟(FIBA)の規定では、他の選手を負傷させる恐れがあるとしてヘアアクセサリーなどを原則として禁じている。そのルールにヒジャブが抵触すると判断された。 カタールのある女子選手は「全てのイスラム圏のチームがプレーできるよう、国際連盟を動かすためにここに来た。明確な態度を示さないといけない」とコメントし、最初から問題提起を目的とした行動だったことを示唆した。日本バスケットボール協会の関係者も「今回の件は一石を投じたと思う」と受け止めた。 アジアにはキリスト教、イスラム教、仏教など多くの宗教が存在する。その中で開かれているスポーツの祭典で起きた騒ぎに、アジア・オリンピック評議会(OCA)は「選手の権利が最優先されるべきだ」などと選手を擁護する声明を出した。 なお、サッカー、バレーボールをはじめとした他の競技では試合中のベール着用が認められている。 国際バスケットボール連盟(FIBA)は9月初め「ヒジャブなどを2年間のトライアル期間中認める」としたが、国際大会での扱いについては、明確な姿勢を示していなかった。カタールチーム代表Al-Jabir氏は、「試合を放棄したのではなく、試合することを許されなかった」と答え、「(大会組織委員会は)女性参加を推進している一方で、ヒジャブを着用したイスラム女性の参加を妨げている」と主催側を批判した(『Newsobserver』)。またバスケットボール専門家のHabeeba Husain氏は、実際の障壁となるのは「ヒジャブ」ではなく、「ヒジャブ」に体する間違った認識だ、と指摘している(『Patheos』)。
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