ハード面の具体策を策定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:31 UTC 版)
「福島第一原子力発電所」の記事における「ハード面の具体策を策定」の解説
このように強化ベント設置などの過酷事故対策について日本では東京電力他電力各社、行政共消極的であったが、1992年7月28日、通産省は従来方針を転換、1993年末を目途に各電力会社に過酷事故対策について検討を行うよう文書で通達した。1994年2月1日には電力業界による検討結果の骨子が明らかにされ、原子力安全委員会の承認を得た上で1995年より定期検査を通じてBWRに強化ベント追設等の工事を実施することとなった。もっとも、『朝日新聞』が「方針転換」と報じたことに対して電力業界は『電気新聞』を通じて次のようなコメントを出し反発した。 わが国の原子力発電所は現行の厳格な安全管理、安全規制により安全性は十分確保されており、アクシデントマネジメントは、電力が自主的に行う念のための措置であって、方針転換ではない。 — 「原子力過酷事故安全対策 「方針変更はない」 電力業界 自主的措置を強調」『電気新聞』1994年2月4日1面 1994年3月29日、東京電力は、このような動きの中、通産省から要請された過酷事故対策の概略を福島事務所で公表し、3月31日に通産省に「アクシデントマネジメント検討報告書」を提出、1996年の定期検査より着手するとした。対策完了は2000年で、費用は1プラント当たり約10億円が見込まれた。1994年10月24日、同省は検討結果を妥当なものと判断した。 原子炉停止系故障により制御棒が動かない場合に備え、従来とは別の信号系による制御棒作動系統を増設 ECCSをバックアップするため、建屋内防火用消火栓から炉心への代替注水設備、および復水補給系を新設 水フィルターを使用した強化ベントを追設し、格納容器耐圧性を強化し、格納容器内過圧防止操作範囲を拡大する 非常用発電機の増設(後述) 1995年12月、原子力安全委員会はこの対策案を妥当とした。1996年から着手という計画は遅延したものの、本発電所における最初の工事は6号機で1998年2月の定期検査に合わせて実施された。東京電力にとって初の対策工事でもあった。2000年までに実施完了の目標は変更されなかった。本発電所において対策工事が完了した時期は不明だが、電力各社は2002年5月29日、原子力安全・保安院に全プラントの対策工事が完了した旨報告している。なお、この追設にGE・ニュークリアエナジーは関与していない。
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