ニッカカフェモルトとは? わかりやすく解説

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ニッカカフェグレーン

(ニッカカフェモルト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/04 09:31 UTC 版)

ニッカカフェグレーン/カフェモルト
ニッカカフェグレーン(左)とニッカカフェモルト(右)
基本情報
種類 ウイスキー
グレーンウイスキー
度数 45%
主原料 グレーンモルト(カフェグレーン)
モルト(カフェモルト)
※カフェモルトは原酒の一部に輸入原酒を使用
原産国 日本
製造元 ニッカウヰスキー
販売元 アサヒビール
詳細情報
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ニッカカフェグレーンは、ニッカウヰスキーが製造し、アサヒビールが販売している純国産グレーンウイスキー日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズ・ウイスキーの表示基準に合致した商品[1])である。本項では便宜上、姉妹品でもあるグレーンウイスキーのニッカカフェモルト(ニッカカフェグレーンと異なり原材料の一部に国外産の原酒も使用されているため、日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズ・ウイスキーの表示基準に合致しないワールド・ウイスキー、またはジャパンメイドウイスキー扱いとなる商品)についても言及する。

ニッカカフェグレーン

ニッカカフェグレーンは、世界的に見ても珍しくなったと言われている「カフェ式連続式蒸留機」において製造されたグレーンウイスキーである[2]

カフェ式では製造効率の面では劣るものの、原料本来の味が現在主流の蒸溜機よりも残るとされ、ニッカウヰスキーでは現在でも現役で稼働している[3]

ニッカカフェグレーンは、2012年フランスを中心にヨーロッパで先行販売。2013年6月から日本でも販売された[3][4]

そのまろやかな口当たりと独特の甘さは、ロックやストレートで飲まれている他に、ウイスキーベースのカクテルの材料としても使われている[3]

その味わいは、世界的なウイスキーなどの酒類の品評会として知られているインターナショナル・スピリッツ・チャレンジの2013年金賞を受賞した[3]

近年のウイスキーブームの影響でウイスキーとその製造に必要な原酒の安定供給が難しくなったという理由のため2019年2月下旬の出荷分を以って店頭在庫切れになり次第、一旦休売となったが、同年11月以降より順次、販売を再開した。

ニッカカフェモルト

ニッカカフェモルトはニッカウヰスキーによる「カフェ式連続式蒸溜機」で製造され、原材料に小麦トウモロコシなどの穀物を一切使用せず、大麦麦芽を100%使用した異色のグレーンウイスキーである。通常のグレーンウイスキーは、穀物を原料に、連続式蒸留機によって効率よく、軽い風味のアルコールとするのに対し、ニッカカフェモルトはグレーンウイスキーでありながら、大麦麦芽のみを使用し、さらに旧型のカフェ式連続式蒸留機を用いることによって、大麦の風味をほどよく残した独自のグレーンウイスキーとなっている[5]

ニッカカフェモルトは、2013年にフランスを中心にヨーロッパで先行販売。2014年6月から日本でも販売された[5][6]

その味わいは、イギリスのスピリッツ専門誌「THE SPIRITS BUSINESS」において、2014年の「THE MOST INNOVATIVE SPIRITS LAUNCH OF 2014」に選ばれた[6]

その味わいは、世界的なウイスキーなどの酒類の品評会として知られているインターナショナル・スピリッツ・チャレンジの2017年グレーンウイスキー部門カテゴリーの最高賞であるトロフィーを受賞した。

こちらも上記のカフェグレーン同様、ウイスキーとその製造に必要な原酒の安定供給が難しくなったという理由のため2019年2月下旬の出荷分を以って店頭在庫切れになり次第、一旦休売となったが、同年11月以降より順次、販売を再開した。

ラインナップ

  • 現行品
    • ニッカカフェグレーン(1期・2013年6月-2019年3月、2期・2019年11月 - ) - 700ml
    • ニッカカフェモルト(1期・2013年6月-2019年3月、2期・2019年11月 - ) - 700ml
  • 終売品
    • シングルカフェモルト12年 (2007年11月22日-終売年不明) - 700ml、3027本限定[7]
    • カフェ式蒸溜グレーンウイスキー (1991年7月-1997年9月)- 500ml[8]

ニッカウヰスキーとカフェ式連続式蒸溜機

キルベガン蒸留所で使われていたカフェ式連続式蒸溜機。現在は屋外に展示されている。

ニッカウヰスキーがカフェ式連続式蒸溜機を導入したのは、1963年の事である。前年に創業者である竹鶴政孝がヨーロッパに視察に行った時、購入したもので、自身の工場にカフェ式蒸溜機を導入する事が、かつて竹鶴がスコットランドに留学していた時からの夢であったという。当時から見ても旧式の蒸溜機であり、高さも4階建てほどのビルくらいの高さはある巨大なものであった。初めはニッカウヰスキーの西宮工場に導入された[6][9]

1965年にこのカフェ式連続式蒸溜機で作ったグレーンウイスキーをブレンドした「新ブラックニッカ」が発売されると、たちまち人気商品になった[9]1967年にはカフェ式連続式蒸溜機の二号機を導入した。その後、このカフェ式連続式蒸溜機は仙台工場(宮城峡蒸溜所)に移設された[9]

1999年から当地で稼働して、このカフェ式連続式蒸溜機で製造されている原酒はニッカカフェグレーンやニッカカフェモルトの他にニッカウヰスキーで製造されているブレンデッドウイスキーや焼酎ジンウォッカなどの元にも使われており、蒸留機は未だに現役である。

カフェ式連続式蒸溜機は手間がかかるため、現在では本場のスコットランドでもほとんどないと言われている[9]。一方日本では、ライバルのサントリー2022年知多蒸溜所にカフェ式連続式蒸留機を導入している[10]

脚注

  1. ^ 「ジャパニーズウイスキー」の定義 業界団体が作成 - 日本経済新聞 2021年2月16日(2021年3月2日閲覧)
  2. ^ 「カフェ」はエニアス・カフェ(カフェー)英語版というこの方式の蒸留機を発明した19世紀のイギリスのウイスキーの技術者の名前に因んでいる。なお、カフェの綴りはCoffeyでcoffeeやcafeではない。
  3. ^ a b c d ニッカ カフェグレーン|商品紹介|NIKKA WHISKY”. NIKKA WHISKY. 2025年1月4日閲覧。
  4. ^ ニュースリリース 2013年5月15日|アサヒビール”. www.asahibeer.co.jp. 2025年1月4日閲覧。
  5. ^ a b ニュースリリース 2013年12月18日|アサヒビール”. www.asahibeer.co.jp. 2025年1月4日閲覧。
  6. ^ a b c ニッカウヰスキーカフェモルト公式ページ
  7. ^ ニッカ『シングルカフェモルト12年』日欧同時発売 (ニュースリリース) | アサヒビール”. www.asahibeer.co.jp. 2025年1月4日閲覧。
  8. ^ ニッカの語らい|ニッカワールド|NIKKA WHISKY”. www.nikka.com. 2025年1月4日閲覧。
  9. ^ a b c d 松尾(2014)131-142pp.
  10. ^ 会社情報 | サントリー知多蒸溜所株式会社」『会社情報 | サントリー知多蒸溜所株式会社』。2025年1月4日閲覧。

参考文献

  • 松尾秀助『琥珀色の夢を見る 竹鶴政孝とリタ ニッカウヰスキー物語』 朝日新聞出版〈朝日文庫〉、2014年。ISBN 978-4022618085

関連項目

外部サイト


ニッカカフェモルト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 03:27 UTC 版)

ニッカカフェグレーン」の記事における「ニッカカフェモルト」の解説

ニッカカフェモルトはニッカウヰスキーによる「カフェ連続式蒸溜機」で製造されたワールドヴァッデッドモルトウイスキーである。通常のモルトウイスキーは、世界的に主流となっている単式蒸溜器蒸溜されるが、ニッカは「カフェ式」によってモルト甘さと芳ばしさを残したオリジナルウイスキー作り出した。 ニッカカフェモルトは、2013年フランス中心にヨーロッパで先行販売2014年6月から日本でも販売された。 その味わいは、イギリススピリッツ専門誌「THE SPIRITS BUSINESS」において、2014年の「THE MOST INNOVATIVE SPIRITS LAUNCH OF 2014」に選ばれた。 その味わいは、世界的なウイスキーなどの酒類品評会として知られているインターナショナル・スピリッツ・チャレンジの2017年グレーンウイスキー部門カテゴリーの最高賞であるトロフィー受賞した。 こちらも上記のカフェグレーン同様、ウイスキーとその製造必要な原酒安定供給難しくなったという理由のため2019年2月下旬出荷分を以って店頭在庫切れなり次第、一旦休売となったが、同年11月以降より順次販売再開した

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