トレッドミルの応用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 08:34 UTC 版)
「トレッドミル」の記事における「トレッドミルの応用例」の解説
運動負荷検査狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈の動脈硬化の診断に利用される。心臓に負荷をかけると心電図に異常(不整脈)が表れるのが特徴であるため、心電図と血圧を測定しながらトレッドミルの速度と傾斜を上げてゆくことで診断する。安価でありながら高い確度で診断できるとされる。 各個人の最大酸素摂取量(VO2max)の測定に利用される。マスクをつけて呼気ガス(酸素消費量と二酸化炭素排出量)を採取しながら、心拍数が最大心拍数付近に維持されるようにトレッドミルの速度を調整する。その状態で呼気ガスを分析することで最大酸素摂取量が得られる。なお、呼気ガス分析を行わずに心拍数と速度と年齢の相関関係から最大酸素摂取量を推定する簡易な方法もある。最大酸素摂取量はその人の持久力を端的に表すため、長距離系のアスリートにとっては重要な指標となる リハビリテーション高齢者や手術後の患者などのためのリハビリテーション器具として利用される。手すりの高さを簡単に調整できるリハビリ用の低速トレッドミルも販売されている。 水中トレッドミル通常、水槽と一体化されて医療用として販売される。浮力があるため膝への負担が少なく、高齢者のリハビリ用として使用される。2007年7月からは天皇・皇后が利用するため皇居に納入された。 他競技用スキー・スケート・自転車などで走行できる大型のトレッドミルがある。 宇宙用宇宙滞在中は重力がかからないため骨量の減少や筋肉の萎縮が起こる。これを防ぐためトレッドミルやエアロバイクによる運動を1日2時間程度は必ず行うべきであるとされる。現在国際宇宙ステーション(ISS)には2台のトレッドミルが設置されている。1台はズヴェズダにあるTVISで、もう1台はトランクウィリティーにあるCOLBERT「コルベア」である。いずれもISSに振動が伝わらないような工夫がなされている。過去にはソ連のサリュートとミール、そしてアメリカのスカイラブにもトレッドミルが設置されていた。 動物用犬用のトレッドミルが動物病院などに向けて販売されており、治療後のリハビリや肥満犬の運動不足解消に利用される。水槽のように水を貯めて浮力を発生させ、足への負担を軽減しているものがほとんどである。 マウス・ラット用のトレッドミルが実験器具として販売されている。電気刺激・疲労・免疫・血液など幅広い分野で活用されている。 景色の映るトレッドミル正面のディスプレイに代表的なマラソンコースの景色が表示され、走った距離に応じて景色も移動するトレッドミル「マラソンシミュレーター」が販売されており、揖斐川町の揖斐川町健康広場で体験できる。
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