デンマークによる植民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 02:09 UTC 版)
「グリーンランドの歴史」の記事における「デンマークによる植民」の解説
詳細は「デンマークによるアメリカ大陸の植民地化」を参照 1536年にノルウェーがデンマークの完全な従属下に置かれると、グリーンランドはデンマーク領となった。17世紀にはイギリス、オランダ、ドイツの捕鯨船がグリーンランド近海に出漁したが、定住地をつくるまでには至らなかった。1721年にノルウェーの宣教師に率いられた一団がグリーンランドに上陸した。この一団の目的は、グリーンランドにおける欧州人の居住の確認および布教にあった。商人も含まれていたこの一団によって、欧州人によるグリーンランドの再定住化が行われた。この植民地はゴットホープ(現在のヌーク)と呼ばれグリーンランドの南西岸に建設された。また、イヌイットと交易を行い、イヌイットの一部へのキリスト教布教に成功している。1774年にデンマーク王政府による王立グリーンランド貿易会社が設立された。この会社は、グリーンランドの行政も任されていたが、統治はなおざりで交易が中心であった。そのために20世紀初頭の領有権問題を引き起こすこととなった。 19世紀初頭、デンマークはナポレオン戦争の結果、敗戦国となり、1814年にノルウェーがデンマークから分離するが、グリーンランドはデンマーク領として残された。 19世紀以降になると、探険家や科学者がグリーンランドを訪れるようになった。グリーンランド生まれの探検家クヌート・ラスムッセンは犬ぞりで探検を行い、地理的な発見や民俗資料の収集を行っている。このほか、交易も盛んであり、グリーンランドのデンマーク植民地は栄えていた。なお、デンマーク法の適用は、デンマーク人植民者に限られていた。なお、19世紀までの定住地の北限は北緯81度あたりまでであったが、19世紀中に島の最北部へイヌイットが定住を始めている。植民地としてのデンマーク人のグリーンランド全島支配が及ぶのは、20世紀前半、1917年以降であった。 グリーンランド最初の議会は1862年から1863年にかけて開催されているが、これは島全体のものではなかった。1911年に、島にランドスティング(議会)が導入されたが、南部と北部に分かれ、この二つのランドスティングの統合は1951年まで成されなかった。なお、政治決定の大部分はデンマーク本土で行われ、グリーンランドにはほとんど決定権がなかった。19世紀の終り頃のグリーンランドは捕鯨が主な産業であった。
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