デンマークへの直通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:29 UTC 版)
ドイツのハンブルクとデンマークのコペンハーゲンを結ぶ通称「渡り鳥コース」において、従来のIC3気動車によるユーロシティの一部を置き換える形でICE TDの導入が決定された。2007年4月に最初の試運転が実施され、2007年12月に営業運転を開始した。最高速度はベルリン・ハンブルク間の200km/h、それ以外のドイツ国内区間が140km/h、デンマーク国内では180km/hで運転されている。 合計13編成のICE TDがデンマーク直通対応改造を受け、保安装置や無線装置とそれに付随する機器類の設置、荷物収納設備の拡張など旅客設備の改修などが行われている。車両はドイツ鉄道からデンマーク国鉄へ貸し出す形となり、両鉄道会社のロゴが併記されている。ドイツ鉄道とデンマーク国鉄の間で締結された運行契約の期間は13年となっている。ドイツのプットガルデンとデンマークロービュの間にあるフェーマルン・ベルト海峡では、鉄道連絡船による航送が行われている。 しかし2015年に入り、運行継続のためには大規模なオーバーホールが必要となること、またその費用が非常に高額となることが判明し、ドイツ鉄道では2016年末でリース契約を解除することを通告。リース契約にはデンマーク国鉄側が車両を買い取るオプションも設定されていたが、デンマーク国鉄はこれを行使しなかったため、結局2016年12月11日のダイヤ改正で1編成を除く全車両が運用から離脱。唯一残った編成も2017年10月に運用を終了した。その後の詳細は不明ながらも、2018年現在は既に全車両が廃車解体されているものと見られていたが、一部編成は測定などの試験車両として現存している。
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